基準の設定に携わっているNFPA委員会は、上記で特定されたように水の量が制限されるならば、腐食に関する問題は大きな課題ではないと考えている。112mg/立方メートルの水蒸気含有量は、非常に低濃度であるこということは注目すべきである。従って、このレベルもしくはそれ以下の天然ガスは完全に乾燥している。(連邦政府は、1978年に発生した、トレーラーのシリンダーの腐食事故を受けて保守的立場をとった。米エネルギー省は州間ビジネスで移送される圧縮天然ガスの成分を特定した。そこでは、水蒸気の上限界はガス1立方メートル当たり8ミリグラムに設定されており、腐食性部品に関する限界値は非常に低い。
天然ガスの腐食性の要因に関するとの潜在的な問題のため、そのような腐食性の成分が存在するときはいつでも、高圧貯蔵の前にガスを乾燥させて取り扱うことが必要である。NFPA52はまた、鋳鉄、プラスチック、亜鉛メッキされたアルミニウム、および70%以上銅を含んだ銅合金は、これらの材質が、圧縮天然ガスの扱いに求められる腐食に対する強さあるいは抵抗性を欠くとして、圧縮天然ガスへの使用が許可されないことを述べている。
NFPAの基準に加えて、自動車技術会(SAE)は、他の燃料システム部品と同様に、燃料容器の内部を腐食から保護することを目的とした、圧縮天然ガス車両燃料に関する指針SAEJ1616を作成した。
漏出あるいは破裂を回避するために、高圧圧縮天然ガスの貯蔵システムの設計と取扱いに、盛り込まれるべき本質的な水準があるということが上記のことからわかる。漏出あるいは破裂の場合には、貯蔵タンクあるいは配管からの圧縮天然ガス燃料の流量比は、非常に高い可能性があり、また、続いて起こる火災(あるいは爆発)からの熱放射率は非常に高いものとなるだろう。
(d)貯蔵中の火災の危険性
運輸事業者の施設で貯蔵されなければならない圧縮天然ガスの量は、充填技術の関数である。
速い充填のためには、圧縮天然ガスの貯蔵量は、個々の車両燃料タンク容量の少なくとも3倍(しばしば4倍まで)はあるべきである。典型的な40フィート・バスに関しては、約250kgの圧縮天然ガスが入る燃料タンクが必要である。これは約750から1,000kgのばっらバッファ貯蔵能力を必要とすることを意味している 他の自動車用代替燃料と比較した場合、この貯蔵容量はかなり小さく、これにより貯蔵タンクの大規模な破裂に関し、総体的な火災および爆発の可能性を低下させる。
遅い充填システムは、圧縮システムが通常、一晩かけて燃料を供給するに見合う車両の最大保有数を取扱うべく設計されるので、バッファ貯蔵システムはより小さくなる。
運輸事業者が圧縮天然ガスタンクローリーから急速充填をすることはおそらくないであろうから、現場で貯蔵される圧縮天然ガスの量は大幅に増加するであろう。 1台以上のトレーラーが現場にいる場合、圧縮天然ガスの総量は6,000kg(13,000ポンド)の単位になるであろう。環境保護局は、最近(連邦登記簿、1994年1月31日、4478-4499頁)大気汚染防止法の第122条(r)に規定された、規制物質および許容濃度のリストを公布する最終規則を出した。メタンは、4550kg(10,000Ib)の許容濃度量を持つ規定された引火性物質のリストにある。この許容濃度量以上を貯蔵する設備は、危険性の評価、防止プログラムおよび非常時対応プログラムを含むリスク経営計画(RMP)の開発および規則に従う。リスク経営計画の要求は、現在法制化の過程にある;提案された規則は、1993年10月20日(58FR