ランドでのケースだが、減価償却や利息で表現される投資コストは比較の上では非常に副次的なコストであるにもかかわらず、しばしば過大に見積もられている。
マクロ経済の計算を行なうことは、より複雑で難しい課題である。最近発行されたミュンヘンのIFO研究所の、ドイツの300000ヘクタールの菜種畑を対象とした投入―産出に関する研究では、この耕作地からのバイオディーゼルの生産は5000人の雇用を創設し、実施されている減税分の70%を正当化するものであるとされている(Schope、1996年)。この雇用創出効果の他にも、世界的な温暖化に対する効果として、1トンの二酸化炭素につき485ドルと見積もられる費用削減効果がある(Hohmeyer、1993年)。環境に敏感な分野への適用につき、個々のリスク水準に依存する妥当なリスク削減効果は、それぞれ別々に評価すべきである。加えて、エネルギー供給確保の効果がある:かなり簡単な調査がある。米国政府の研究では、米国に輸入された化石オイル1バレル当たり9.68ドルという、湾岸地域に駐留するための戦略的コストが見積もられている(Ravenal、1991年)。再生可能効果や化石燃料や有限鉱物油の代替物のコストを見積もることは再び困難になって来ている。
バイオディーゼルの将来の可能性:
いくつかの進展の可能性が既に指摘された:少しだけコメントすれば;
● ディーゼルエンジンの一層の改良、例えば、窒素酸化物の排出を削減するために、噴射時期を遅らせることや:潤滑油の希釈を削減するための高圧の噴射など。これによって潤滑油中の高分子化のリスクを低減させる。
● 地域の事情に応じ、適正な原料の混合に関する複雑な方法を開発することにより、安価な原料の範囲を拡大する。これによってバイオディーゼル工場の経済効果を改善する。
● 特定のバイオディーゼルのための特別あつらえのオイルが求められる。高オレインの菜種とひまわりのさまざまな種類が既に存在しており、高ラウリンの菜種油もまた利用でき、低リノールの亜麻種子(リノーラ)がその他の可能性を代表しており、またオイル種子の効率化の機会を広げている。次の表は、栽培業者にさまざまな可能性のある要因と選択を示している。