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マーケティング戦略:

 

新しい製品を市場に導入するに際しては、市場の状況と顧客のニーズを注意深く検討することが求められる。これまで、さまざまな戦略が適用された。:

 

イタリアはディーゼル燃料と暖房用オイルの両方で、欧州の中でも最も高い鉱油税の税率を持つ国のひとつである。このため、暖房用オイルの市場に容易に参入するために税率をゼロにするということは、合理的な手段であった。

 

フランスではバイオディーゼルを精製所に配送することによる違った戦略をとった。そこではバイオディーゼルは5%の混合比で軽油と混合され、おもにElf、ShellおよびTotalなどの既存の設備を通じて供給された。しかしながら、顧客は燃料の中の違いを区別する立場にはいない。この戦略は独立した、費用のかかるインフラの建設を回避して、大きな量を迅速に市場に供給できるようにした一方で、他方、バイオディーゼルの利点が、薄く、目に見えない形でのみ適用される結果になっている。

 

もうひとつの混合による戦略が米国で試みられた。そこでは、主に価格面での理由から20%の混合比で大豆油メチルエステルを軽油と混合している。般媒変換装置を使う80/20の燃料混合は、最近、これを郊外バスのレトロフィット計画のために使用するための認可をEPAから得た。

 

バイオディーゼルのメリットを最大限に活かすため、ドイツとオーストリアでは100%純粋の、希釈していないバイオディーゼルの市場への投入を決めている。タクシー、スモッグに悩む地域の市街バス、および環境保護意識の強い運転者と同様に、湖沼の水質保護、良質な地下水の区域、灌漑ポンプ、スキー場、林業などの分野が、環境に敏感な分野として、適用される対象となっている。

 

ミクロおよびマクロ経済の検討:

 

詳細に踏み込むことは避けて、ミクロ経済の計算における主要な要素に焦点が当てられるべきである:現在のところ、生産面で最も重要な要素は原料のコストである。減反農地からの油種は欧州では1トン当たり約800マルクという妥当な価格で取引きされている。上り安価な使用済み揚げ物用オイルおよび他の使用済みオイルや脂肪はコストの改善につながる。

第2の最も重要な要素-そして、しばしばそのようには認識されていない-は処理の過程での効率である。すなわち、どの程度のエステル転化可能なトリグリセロイドと自由脂肪酸が高品質のメチルエステルに転化されるのかということである:それは99.5%以下であってはならない(Koncar、1996年)。そして最後に、これは同じく重要なことだが、妥当な販売価格というものは、オーストリア、チェコ、フランス、ドイツおよびイタリアでの経験が示すように、税制優遇措置を通じてのみ達成できる;さらにスペインとアイル

 

 

 

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