他の諸国においても同様の基準が制定された。例えば、フランス-1998年12月のフランス規則-、イタリア-1998年12月の法令-、チェコ-1994年11月の最終版CSN 65.6507;更なる努力がスウェーデンにおける-SS 1554 VAE提案、および米国における-ASTM委員会の設置等の形で行われている。(Shindlbauer、1996年)
今日、最も複雑なバイオディーゼルの基準は、おそらくドイツの植物油メチルエステル(PME)に対する基準である。これは暫定的な仕様としてDIN V 51.606とされており、現在その最終版であるDIN 51.606が策定中である。この基準は、フォルクスワーゲン、アウディ、メルセデス、あるいはその他欧州の主要な自動車製造業者により与えられた保証が基礎となっていることから、欧州全体に適用できるほどしっかりしたものということができる:すでに始まっている次の段階は、近い将来におけるCEN仕様の完成である。これは欧州委員会が強制力を与えることで支援されている。
環境への影響:
多くの国々において、ライフ・サイクル分析の活動に多大の努力が払われた:バイオディーゼルは調査された製品の中で、最良のもののひとつとみられている。要約すると次のように言うことができる。すなわち、バイオディーゼルlkgにより、少なくとも3.2kgの二酸化炭素という温室効果の原因であるガスを減らすことがことができるという、好ましい貢献ができる(Scharmer、1998年):それ以来、これらの結果は、原料生産におけるより少ない投入や、より効率的な処理技術を通じて改善した。
硫黄酸化物や一酸化炭素、炭化水素、ススおよび粒子物がかなり減少している一方で、窒素酸化物がわずかに増加しているが、噴射のタイミングを少し遅らせることで、これにうまく対応できる。バイオディーゼルはまた酸化触媒の理想的な補足材料と思われる。さまざまな品質のバイオディーゼルの排気成分に関連し、沸点と同様に脂肪酸の炭素チェーンの長さおよびそれに関係する酸素成分が影響力をもっているということを知ることは、植物栽培農家にとって興味深いことかせもしれない。
当然のことだが、植物油からの派生製品であるバイオディーゼルは、製品としてその毒性が極めて低い:ハツカネズミにおける急性の皮膚および口腔のLD50は、体重に対し2,000mg/kg以上である。これはまた3週間以内にその90%以上が分解されるという優れた特性とあいまって、特に事故などの際に有利な結果となる。軽油をバイオディーゼルと比較した環境に関する他の研究では、マス、オランダガランおよび藻類をバイオディーゼルに曝したとき、これら主要な水生生物に対する毒性のリスクがかなり減少したことが示さオしている(Rodinger、1994年)。