バイオディーゼル(RME)は、脂肪酸や炭素チェーンの長さで違い、その分子構造に約10%の酸素を含む、自然の下ですでに酸化された燃料である。酸素は排出ガスにとってはプラスだが、一方で7%低いカロリー値の原因となる。これはエンジンの効率低下につながるが、さまざまな状況下での、違ったエンジンを使ってのテストでは、通常のディーゼル燃料と同等のエンジン効率を示した。燃焼過程でのバイオディーゼルのエネルギーをエンジン効率により効果的に転換することが、違いの主な要因となる。
すでに指摘したように、CFPP(Cold Filter Plugging Point)で測定された、冷間性能に関する要求がある。6%以下の飽和脂肪酸(パルミチン酸およびステアリン酸)の水準にある菜種メチルエステルは添加物なしで零下8℃まで使用可能である:飽和脂肪酸を取り除けば、CFPPで零下36℃まで到達可能であり、これはアルプス地方にとつては理想的である(Worgetter、1995年)。
ピストン運動を通じて、燃料が常に燃焼室から潤滑油の中に混ざり込んでいるため、潤滑油の希釈がかなりの程度観察された。バイオディーゼルは、より均質性があり、より高い沸点を持つため、軽油よりさらに多く潤滑油の中に蓄積する傾向がある。しかしながら、含有率が20%までのレベルでは、その潤滑性に特段の影響はなかった。しかし、リノール酸(C 18:3)のようなより高いレベルの多不飽和脂肪酸のメチルエステルは、高分子化につながり、潤滑油の中にスラッジができるリスクにつながる。
上で述べた通り、バイオディーゼルは優れた潤滑性を持ち、このためフランスでは、噴射ポンプの故障につながる低硫黄のディーゼル燃料への潤滑添加物として使われることが検討されている。炭素チェーンの長さの違いによるメチルエステルの潤滑性要因は、まだ調査されていない。
バイオディーゼルの基準一品質保証のための道具:
市場への投入を成功に導き、顧客としてのエンジン製造者と最終消費者に受け入れてもらう条件として、ディーゼル・エンジンは品質保証の共通の道具として、慎重に選ばれた基準で特定されなければならない。
一番最初の基準は、オーストリアのバイオディーゼルのためのRME仕様であるON C1190であり、これは一方で従来のディーゼルに関連した基準と他方植物油からの派生物に関連した基準の組み合わせからなる、5%以下のエルシン酸成分と15%以下のリノール酸成分の00-菜種油を基本としている。バイオディーゼルに要求される品質が確保および保証されるという条件で、さらに広い範囲のトリグリセロイド-使用前または使用済みのオイル、および植物性あるいは動物性の脂肪を原料とする-の使用を認める内容の、オーストリアの脂肪酸メチルエステル(FAME)仕様であるON C 1191が続いて制定された。