が産業界によるものである。対策のひとつとして、欧州委員会は、排出ガスの削減を目的とした新しい環境燃料仕様を求め、燃料の品質に関する指令を出した(欧州委員会、1996年9月)。
食料用の農業作物の大量かつ割高な生産過剰は、食料用作物の減反割り当てを導入するものの、そのような農地での非食料用の作物の生産は認めるという、近年改正された共通農業政策(CAP)につながった。減反地で栽培された非食料用の菜種は、過去数年ではバイオディーゼルの最も主要な原料であった。しかし当初の減反地の15%という数字は徐々に低下し、現在は5%となっており、新興のバイオディーゼル産業を原材料不足というリスクにさらしている。
将来の農業政策は、しかしながら中央ヨーロッパ諸国(CCE)のEU加盟によるEUの拡大は、下記の理由により、バイオディーゼル生産に多くの機会をもたらすということを考慮しなければならない、
● これら諸国はEU-15ケ国と比較し、国民1人当たりの耕地面積は現在2倍ある、
● これら諸国は新生EU-25ケ国の中の全農地の55%を占める、
● 農業生産性の見地から、巨大な利用されない潜在能力がある。
この統合の挑戦は、再生可能な原材料一般および特にバイオディーゼルの生産に大きな影響を与えるだろう。
バイオディーゼルの開発における画期的な出来事の検証
ドイツのブラウンシュバイク(Braunschweig)にあった農業技術協会およびオーストリアのブィーゼルブルグ(Wieselburg)の農業技術協会が、初めてディーゼル・エンジンで菜種メチルエステルをテストしたのは1982年頃であった。1985年に既に、オーストリアのジルバーベルグ(Silberberg)にある農業高校の小さな試験設備で、新しい技術(常圧・常温)による菜種メチルエステルの生産をテストし、1990年にオーストリアのアスパーホーフェン(Asperhofen)の最初の農業協働組合がヒマワリと同様菜種から分離したバイオディーゼルの商業生産を開始した。同じ年、全ての主要なトラクター製造業者の大規模な車両テストがヴィーゼルブルグで実施され、例えばJohn Deere、Ford、Massey-Ferguson、Mercedes等のトラクター製造業者のほとんどが、バイオディーゼルを成功裏に市場投入するための大きな一歩として、エンジンの保証をするに至った。
もうひとつの重要な目標が、エンジン製造業者と最終使用者に燃料の高い品質を保証する、オーストリア基準設定協会によるバイオディーゼルのための最初の燃料基準、ON C1190が施行されることで達成された。エンジン効率、排出ガス削減、バイオ分解および毒性等の生産要因の詳細なテストが、現在ますます多くの国で実施されており、経済的な調査と相前後して、燃料やその他の要因のより一層の理解につながっている。
1996年はフランスのルーエン(Rouen)およびドイツのレール(Leer)において