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今日のバイオディーゼル市場とその未来の可能性

 

Werner KORBITZ、オーストリア・バイオ燃料協会、ウイーン、オーストリア

 

要約

Rudolf Dieselが既に述べている通り、植物油は化石資源と比較した革命的な代替燃料であり、70年代の石油ショックの影響をきっかけとしてバイオディーゼルの開発が始まった。この報告は、政治的背景、EC誕生以降の歴史的発展、さまざまな処理技術により生産された量、および使用された主な原材料の検証結果を提供する。この報告はまた品質保証のために必要とされる尺度としてのバイオディーゼル燃料の基準の開発や、さまざまなエンジン効率要因および燃料の環境面の利点に焦点をあてている。採用されたさまざまなマーケティング戦略がミクロおよびマクロ経済の問題と同様に簡単に述べられる。

他の報告の紹介として、バイオディーゼルの将来の可能性が、拡大EUの利用可能な農地および変性油脂となりうる様々な種類の適切かつ改良された油用の種子との関連で指摘されている。輸送分野のための再生可能燃料の開発を強く要請する新しいエネルギー政策、危険な分野における特別燃料のための新しい環境ガイドライン、および農業部門の雇用創造のための新しい提案が述べられている。

 

バイオディーゼルのきっかけと政治的背景:

 

植物油をディーゼル・エンジンのための燃料として使う基本的原則は、すでにRudolf Diesel自身により知られ、また適用され、1912年の彼の特許申請の中で述べられている。しかしながら、新しい衝撃が70年代のエネルギーの主要な資源としての原油の供給危機によって起こり、1991年の湾岸戦争において再度起った。

限りあるエネルギー資源としての原油の大量輸入に大きく依存しているため、EUは国際エネルギー機関(IEA)により強調されている下記の問題点により引き起こされた、輸送分野へのエネルギー供給の確保に際してのリスクの増大に、再度直面せざるを得なくなっている。

● 原油の生産―需要のギャップは世界的に縮小している、

● 北海原油は遅くとも2010年までには枯渇するであろう、そして

● OECD非加盟国のエネルギー需要は劇的に増加するであろう(たとえば中国)。

IEAによれば、輸送分野のためのすべての代替燃料に必要性があり、バイオディーゼルはそれらの中のひとつである(欧州委員会、1996年10月)。

 

環境へのダメージに関する限り、輸送分野には明確な責任がある。最近10年間の世界的な温暖化の原因に占める輸送分野の割合は、20%以下から25%以上に上昇している;それは現時点では、家庭および産業界の割合よりも大きい。一方で酸性雨の問題は原因の75%

 

 

 

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