液体バイオ燃料に関するフランスの政策と計画
Jean-Paul GAOUVER
Agence de l'Environement et de la Maitrise de l'Energie
(環境および省エネルギー庁)
1. 国内事情
再生可能なエネルギーを使い環境保護をめざすこと、および市場の飽和という状況下フランス農業に新たな展望を与えることの両面から、新たな関心が高まってきた。バイオエネルギーのために利用可能な農地は100〜150万ヘクタールと見積もられている。
2種類のバイオ燃料が開発されている:
-菜種油から作るメチルエステル(RME)、これは(燃料として)ディーゼル燃料に混合することができ、また(可燃物として)家庭用燃料に混合することができる;
-エタノール、小麦や甜菜糖から作られ、ETBE(エチル-ターシャリー-ブチル-エーテに合成した後、無鉛ガソリンに混合することができる。
フランスにおいて、政府は、農業団体と連携して、エネルギーのために使うバイオ原料を開発するための、有利な条件を生み出すための最良の方法を探求してきた。液体バイオ燃料の競争力をつけるため:
-実際の産業活動を認可するための10年間の保証という形で、液体バイオ燃料に税制優遇措置がとられた:
-産業界の学習の成果をまとめ、短期間の間に効果を計ることができるようにすべく、研究および開発プログラムにおける努力がさらに進められた。
これら二つの決断は、バイオ燃料の生産コストの低減に資するべきである。今日、バイオ燃料の生産は、新しい市場を開拓するために農地を利用する際に、主要な選択肢のひとつである。1996年時点で、バイオ燃料の生産は244000ヘクタールに達しており、これは食料用以外の減反農地の70%以上を占めている。
この資料は以下について述べる:
-液体バイオ燃料の国家生産を開発するためのフランスの戦略:
-競争力を達成し得ることを示す現在の経験の最初の結果(研究・開発、パイロット・プラント);
-交通からの汚染を減らす環境政策