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7.2 競争力のある組織

関係組織の多くが、同じメッセージ、同じ言葉を発する。 しかし、決定が行われ、エンジニアリング作業が中断しないよう、このプロジェクトには、エンジニアリング担当者に加えて、幹部経営者らも加わっている。

多くのエンジニアがいることから、同プロジェクトがエンジニアリング・プロジェクトの様にもみえるが、これも一部正しい。マーケターやPRスタッフなど異なる職種から人材が参加したことで、技術の進歩に関する情報は、おそらく、開発を市場性のある製品に結びつける上でより多くの影響を与えた。「目に見えないものは市場に存在しない」との命題から、熟練したエンジニアリング能力を顕示することが変化をもたらした。

 

7.3 バランスのとれた取り組み

天然ガスやバイオガスはもはや「解決策」ではなく解決策の一部にすぎない。都市部における排出ガスの原因として都市バスが占める割合は約4〜5%であり、排出ガス量をさらに削減するためには、他に多数の解決策が必要となる。場合に応じて、従来燃料の品質の改善、他の代替燃料、植物油またやアルコールなどとのブレンドなども有効となろう。

大型のNGVの弱点で詳細な検討が必要な項目は以下の通りである。

・エミッションが一定しないこと、触媒の劣化

・シリンダーの価格と重量

・充填・清浄化設備関連の費用

・燃料消費量を抑え、一段とエミッションを削減すること

・応用できる範囲にバイオガスを導入し、輸送機関以外にも利用すること

 

8 将来

8.1 市場の開発

天然ガスが入手しやすいことから、NGVは国際的に最も広く認知された代替燃料自動車となっている。

燃料にメタンを使用した場合、排出ガスの削減に最も効果があるのはピストンエンジンであるとされている。温室効果ガスの削減によって、供給源は天然ガスだけでなく、バイオガスも含めてさらに広がる可能性がある。

現在および将来的な制限を考慮すると、液体燃料車に比べてNGVは、大都市以外の地域での大規模な需要は望めない見通しである。NGV市場のけん引役となる可能性があるのは、都市部のバスの運行事業者、運送トラック、タクシーや配達車など一部の商業自動車である。

 

8.2 バイオガス関係者に対する提案

スウェーデンの各当局は、エタノールの最善の利用法に関する知識の確立に尽力している。バイオガスも供給と普及の可能性の面で劣らないことから、代替燃料に対する今後の投資は、バイオガスについても競争可能なレベルとすることを目指すように、との提案がなされている。

 

 

 

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