にシリンダーについてISO基準を考案し、現在では、ISOとCENの基準案となっている。初めてのガス燃料バスが運行された時には、何らの基準もなかったが、プロジェクトの開始に伴い、一定の基準が設置されるまでの間、当時存在していた基準に対する解釈を示す目的で、「実施規定」が作成された。北欧のバス業界の代表団が、ガスバスの市場開発に必要なこの文書の作成にあたった。
Norsk Veritasは、独自にガス燃料バスの安全面について研究を行った。この結果、ガス燃料バスはシリンダーが高圧となるものの、ディーゼル燃料のバスに比べて安全性が劣ることはないと分かった。相違があるとしても、ガス燃料バスの方が優位である。この研究は北欧諸国、欧州、北米、日本、東南アジアにも広がっている。
7 重要な経験
7.1 協力
プロジェクトを開始するには、目標、計画、予算の策定と資金調達の二つの柱が必要であった。ガス燃料バスおよび関連市場の開発に長期的に関与する側の関心は、この種のプロジェクトが順調に進むことにあるであろう。このため、次の4分野の組織に対してアプローチが行われた。
・バスメーカー
・バスおよびトラックのユーザー
・ガスの輸入・供給業者
・政府機関(排出ガス抑制に関する当局)
これら4分野から合計で44の組織が、プロジェクトに必要な2100万クローナを拠出した。このうち約1400万クローナは現金によるものである。
プロジェクトの運営委員会は交通公団で占められているが、製造者やガス業界の代表らも委員会会合に招かれることもあった。プロジェクトの大半を取り仕切っているプロジェクト・マネジャーが、資金提供元となっている全ての組織に対し、月次ニュースや財務状況に関するニューズレターを発行した。これら44の組織がプロジェクトの期間中に6回、1日セミナーなどに招待されている。
スカニアとボルボが同プロジェクトを競合性のあるものと捉えていなかったときには、エンジンの開発は双方で行われていた。しかし、製品が商業性を帯びるにつれ、基準やその他の競争面以外の事項が課題となってきた。
すべての関係組織を同じテーブルにつかせるのは必ずしも容易ではない。この場合、同じ業界やその中の企業の間では、高価な成果の「享受を目指すこと」とが、将来的な競争の問題以上に、推進要因であった。