バイオガス導入の経済性:例
スウェーデンのリンシェーピング市のケースは、将来的な輸送部門向けのバイオガス製造に影響をあたえる可能性のある一例である。得られる利益は以下の3つに分けられる。
食肉処理残さを捨てることに伴い、埋めたて処分場ではお金がかかる。かわりに、バイオガスの生産プラントで処分することで、第1の収入となる。
この工場で生産される二つの製品のうちの一つに、55〜60%のメタンを含むバイオガスがある。このバイオガスは、既存のエネルギー価格に相当する額で消費者に販売される。二酸化炭素の市場がある場合には、さらに販売が促進されよう。これら第2の収入源である。
第3の収入源は、バイオガスプラントの沈殿層で、二つ目の販売商品である肥料となる。この沈殿層は、農家にとって高品質な製品であり、農家は自然サイクルにあった製品に市場価格を支払う。無農薬(自然農法)農産物のため、市場価格で購入してもらえる。
ただ、これら3つの収入源は、季節および市場によって異なる。このため、ある時期には受け入れられる価格が、別の時期には受け入れられないこともある。リンシェーピング・バイオガス社が受け入れられるガス価格は、投資額(7000万クローナ)に対してより長期的な利益が得られる水準であろう。
4.3 インフラ
天然ガスなどのインフラであるパイプラインは、通常、末端の消費者が利用できるところに制限がある。ニュージーランドを中心に、インフラの開発段階では、「マザー・ドーダー」流通システムが利用された。昨年、このシステムは、ストックホルムで、バイオガスの流通方法として計画された。同市の西部地区にあるBromma下水処理施設では、ストックホルムのさらに3つの充填所に供給するのに十分なバイオガスが生産されている。
ガスの余剰分は、コンテナで、パイプラインによる供給が行われていない別の場所に輸送される。コンプレッサーにより、ガスは自動車に供給される。空になったコンテナは、満タンのコンテナに換えられる。
このシステムは高価な上、主にパイプライン網が拡充されたことから、長年は続かなかった。
3つの方法
自動車の需要に応える目的から、3つの方法について調査および適正検査が行われた。これらの方法は、以下の通りである。
・水の不純物の除去
・活性炭を用いたPSA
・膜による分離
メタンの含有率が高い(97%)ガスについては、製造者側が、ガスの大量損失を伴わ