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フリートにのみガス系燃料が使われている。天然ガスパイプラインと並行して、またはそれ以外に利用されるバイオガスが増えれば、受け入れられる可能性はさらに広がる。

気体燃料である限り長距離自動車または重量物運搬車には適していないが、ニートエタノールと、エタノール/ETBEまたはDMEをブレンドした低濃度混合燃料は、長距離自動車または重量物運搬車用に有利である。

ルーフと天井との間に300〜500キロ走行可能なシリンダーを搭載している先進的なバスを除いて、最大の制約は、最大積載量などの積載容量が減ることである。容積の問題に比べて小さいながら、重量も懸念材料である。

代替燃料ガスの影響は拡大すると見られており、メタンの影響もかなりの部分を占める。

 

トロルへッタン市のプロジェクトは、バイオガスを自然界のサイクルとして捉えている。このサイクルは次のページに示す通りである。同プロジェクトの第1段階は、11台の都市バスにバイオガスを供給することが目的となっている。このうち2台はごみ収集トラックである。

 

今日の社会では輸送手段は欠く事ができないものである。しかし、どのような移動方法であっても、交通手段は環境を脅かす。交通によって排出されるエミッションは、人間、動物、植物、土壌、大気、水など、あらゆる生命体にとつての環境的な脅威である。

地球の気温が上昇し、世界的な気候変動が起こることを温室効果と呼ぶが、この温室効果の最大の原因のひとつとして二酸化炭素が挙げられる。

二酸化炭化は、石油、石炭、天然ガスなどの化石燃料を燃やした時のほか、呼吸や木の燃焼といった自然環境サイクルの一部でも排出される。ただし、二酸化炭素は、植物が生育する過程で消費もされるなど、自然界には、二酸化炭素の排出と消費との微妙なバランスが存在している。しかし、化石燃料を燃やすと、自然に消費される以上の二酸化炭素が発生するため、このバランスが妨げられる。

バイオガスには多大な利点がある。再生可能な資源から生産されるため、温室効果を促進するようなガスの原因とはならない。バイオガスは自然サイクルの一部で、より環境にやさしい交通手段を提供する。

 

4. 経済

4.1 自動車生産

メタンを燃料とするバスおよびトラックの価格を押し上げている最大の要素は、高価な燃料などである。1986年以降、価格面の進展に期待がかかってきた。次のテーブルは、さまざまなガスバスの購入価格を示したものである。

(1997年のスウェーデンクローナ貨幣価値に換算したもの。

KSEK=1000クローナ。注:1クローナ=約17円)

 

 

 

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