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ガスの安定性はまだ実現にはほど遠いということが言われている。これは、運転を開始した最初の年には、リンシェーピングで当てはまることであったが、これ以降こうした事態は起きていない。現在のところ、下水処理設備からのガスの清浄化という経験に限られているが、有機廃棄物のあるごみ処理場からバイオガスを清浄化する際、吸収およびこれによる空気漏れが大きくなければ(>3.5%NO)、困難は生じない。ただし、比較的古い、区分のないごみ処理場からバイオがガスを清浄化するのは困難である。バイオガス清浄化設備は、ほとんどサービスや整備を必要としない。リーシェピングごみ処理場の効率低下は報告されていないことから、PSAの導入における活性炭の寿命は不明である。同ごみ処理場は1990年から全面稼動している。

 

2.3 さらに求められていること

メタン自動車の運行における最大の制約はシリンダーの価格と大きさである。シリンダーは、同じ距離を走行するのに、ディーゼルに比べて5倍の容積および2倍以上の重量を必要とする。

米国ではLNG(液化天然ガス)が中心的に行われているが、欧州ではいくつかの理由から、LNGの利用は成熟していない。LNGは密度がエタノールと同じで、圧縮天然ガス(CNG)やバイオガスに比べて、エンドユーザーにとって利用するのにかなり便利である。シリンダーの開発は、現在のところ好ましい状況にはあるが遅く、シリンダーの種類によっても重さが異なる。

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要求水準は0.20〜0.25kg/lと思われるが、シリンダー圧力の増加に対しては、国内的にも国際的にも要望はない。

また、コンプレッサーおよびバイオガス向けの清浄化設備の価格が非常に高いことも課題である。この問題は、世界のNGV業界で1989年以来認識されてきた。カナダのB.C.リサーチ(バンクーバー)は、初めてコンピュータでコンプレッサーの設計を行い、効率を20%向上、価格を10%引き下げることができた。それ以降、複数の活動が行われ、また、IANGV's(NGV'sの国際協会)は、97年9月にソルトレークシティーでコンプレッサーの価格削減セミナーを開催するよう求めた。コンプレッサーの価格を50%削減することが目的である。バイオガス清浄化設備についても同様の価格削減が必要とされている。大量生産と競争原理がこのための助けになる。

 

 

 

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