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前に110〜125℃に加熱し、圧縮比を20〜23:1とすれば、メタンは自己着火する。また、ディーゼルサイクルが利用されるので、この場合、他の燃料は使用しない。長所は以下の通り。

・利用しやすくなる

・運転性能が高まる 

・燃料消費量が25〜40%減る。

・エミッション(NOx、CO、HC、CO2)の排出量が一段と削減される。

今世紀末頃には、この技術を利用した実用的な商用車が登場する可能性がある。この技術に取り組んでいる事業者は、まだ名前が公表されることを望んでいない。

 

さらなる改善

オランダのTNOは、欧州の排出ガス基準の設定が進むにつれ、エミッションを一段と削減することの必要を認識している。2010年のユーロ5による排出量の許容水準は、NOxが1.5g/kWh、PMが0.08g/kWhとなっており、これらはすべて、欧州の試験サイクル「ECER49」によるものである。TNOは、ディーゼル燃料の代わりにメタンを利用すれば、エンジンメーカーにとってこの基準を満たすことはさほど難しくないとみている。TNOが挙げる、ユーロ5に必要な技術は以下の通り。

ディーゼル

燃料の質の改善

点火タイミングを遅らせること

噴射装置の改良

高い噴射圧力

4パルプのシリンダーヘッド

ホットEGR

電子制御の向上

SCR(選択還元触媒)によるNOx対策 など

 

メタン(リーンバーン)

燃料の均質化

ターボ過給の増加

エンジン排気量の低下 など

 

 

 

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