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いる。排出ガスを大量に再循環させるには、高速燃焼を行う必要がある。

 

Ricardoの高速燃焼の概念はピストンクラウンにある。それは、本来はもつと大きなリーンバーンエンジン向けに開発されたものである。ピストン中央部の小さなスツールができる部分に、二つの大きな流れが生じる設計になっている。点火の後、火炎面が広がり、燃焼速度が上がる。

SwRIは、別の方法を考案した。それによると、より少ない量の燃料(例えば2〜3%)がストイキの状態で点火される。この状態は、燃料と空気のかなり希薄な混合気の点火に十分なエネルギーを持ったジェット気流を形成する。空気過剰率1.7〜1.9の平均的な混合気で、運転性能および排出ガスの基準を満たすことが期待されている。

 

SwRIの技術は、排出ガスをTWC技術と同水準に抑えることはできないものの、安定度が高く、運転性能が良好で燃料の消費量も少ないことから、他の方法よりも多くの利点があると思われる。

 

現在の状況

技術の選択がうまく行き、排出ガスの量が計画した水準に達しているものの、1997年の技術にはさらなる開発が必要であった。ディーゼルエンジンは現在、ガスエンジンの排出ガス基準を満たしうるところまで開発が進んでいる。研究者によると、ガスエンジンをさらに開発する方法は多数ある。

実験エンジンで、3つの異なる方法が試験され、エミッションだけでなく、熱効率についても、一段と劇的な変化がみられ、燃料消費量が大幅に減少した。

 

マイクロ・パイロット噴射

ノルウェーのMarintekが、初めて、効率よい燃焼技術を開発した。これは、点火システムと点火プラグを利用しなければならない制限を回避するものである。その代わり、圧縮比(CR)が高くなり、非常に少量のディーゼル燃料が噴射され、圧縮着火、燃焼がおきる。

この技術は、現在(1997年)利用可能な最良の技術と比べてリーンな燃焼が可能で、燃料効率が劇的に高まるが、騒音はかなり低く抑えられたままである。長所は以下の通り。

・運転性能が高まる

・エミッション(NOx、CO、HC、CO2)の排出量が一段と削減される。

・燃料消費量が25〜40%減る。

実験室での試験および路上試験が終了し、商業化が可能になるまでには、さらに3〜5年かかると推定される。

 

吸気加熱

圧縮比及び吸気温度がかなり高ければ、メタンは圧縮による着火が可能である。吸気を事

 

 

 

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