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出典:From Prototype to Product

A report on the development of methane buses and other vehicles after the KFB-supported "Co-Nordic Gas Bus Project"

 

KFBが支援する「北欧共同ガスバス・プロジェクト」を通じた、メタン燃料バスおよびその他の自動車の開発に関する報告

 

要 約

この報告書は、「北欧共同ガスバスプロジェクト」が終了して以降の、天然ガスやバイオガスを燃料とするバスおよびトラックの開発状況を示す目的で作成された。同プロジェクトは、発起側のスウェーデン運輸通信研究庁(KFB)が中心となって進めたものである。スウェーデンには、約325台の大型メタン自動車があり、うち約100台はバイオガスを燃料としている。さらに、これらメタン自動車のうち約60台がトラックで、バイオガスを燃料とするものは将来まで含めると26台である。スカエア社およびボルボ社は、6カ国向けに、500台のガス燃料バスを製造している。ガス燃料バスの製造は1990年から開始されており、製造台数は月によって異なる。

 

同プロジェクトの目的は達成され、目標とされていた排気エミッションの大幅な削減がみられた。世界のバスメーカーもこれに習い、これ以降、ガス燃料エンジンからのエミッションは、同じくらいの低さに抑えられている。

 

スウェーデンでは、バイオガスを燃料とするバスやトラックが100台近く走行しており、我が国はバイオガスの利用において主導的な立場にある。バイオガスは、国内で消費されるディーゼルの50%にあたる燃料の供給が可能だが、供給に関してのバイオガスの燃料としての評価は依然として低い。

 

排気エミッションのさらなる安定化、シリンダーの軽量化、コンプレッサーの費用低減、機器や貯蔵シリンダーの洗浄、主にCO2やNOX、CH4などの排出量を削減できる燃料効率の高いエンジンなどを実現するための制御システムを整える上で、さらなる開発が必要である。すでに自然界のサイクルで発生するため、再生可能資源から生産されるメタンは考慮されていない。天然ガスから生成される未燃メタンは、HCエミッションとの混合を避けるため、CO2等価で見積もられる。

 

メタン燃料バスの社会的なコストは、ディーゼルとCRT技術の最適な組み合わせによるバスに比べて高めであるが、普及が進むに伴い、価格の低下と排出ガス性能の改善が見込まれている。それゆえ、将来はこれらの事を扱う人のコストは低減すると期待されている。

 

 

 

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