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また、CO2コスト換算値ごとに経済に与える影響も異なるCO2の排出量が高く算定されれば、経済的なメリットは増加する。表10は、シナリオ1による累計的な経済効果を示したものである。

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結論として、シナリオ1は、公共財政にかなりのマイナス影響を与えることになる。経済効果も、二酸化炭素のコスト換算値方法にかかわらずマイナスとなる。

 

シナリオ2審査を設けた早期導入

 

シナリオ2は、審査段階(チェックポイント)を設けるものである。まず、チェックポイントは、代替燃料の生産コストに対する条件という観点から定義される。これは、目標の15%にまで生産を拡大するとの決定がなされる前に、満たすべきものである。公共財政や経済になんらの重大なマイナス影響を与えずに、大規模生産を可能とすることが目的である。シナリオ1と同様に、二酸化炭素の排出量を評価する2種類の方法が検討されている。

 

a) 現在の二酸化炭素税に対応するCO2コスト換算値。我々は、現在運輸部門から支払われている二酸化炭素税が、部門を超えた長期的な二酸化炭素税の水準を評価する上での基本になると考えている。

b) 審査段階のCO2コスト換算値。

 

審査段階の条件

費用面の条件は代替燃料の生産コストを伴う。この生産コストは、同一エネルギー量に相当する化石燃料の生産コストを上回らない。燃料ごとのエンジン効果、化石燃料と代替燃料それぞれの外部的な効果、流通コストなどが考慮される。税金および需要側の実質的な費用の相違といった経済コストは考慮されていないため、この条件は、導入によって将来的に求められている全体的な経済メリットが満たされる、ということを保証するものではない。

 

 

 

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