シナリオ1
シナリオ1は、2010年までに燃料全体の15%を代替燃料とするという目標に沿ったものである。
目標の達成には需要と供給の両面について、かなりの調整が必要である。期間は非常に短いという示唆もある。
シナリオ1は、2010年までの間に、コストを現在の水準から大幅に低下させるような、技術は実用化されないと想定している。なんらかの技術の打開策がある場合でも、加速的な導入は、新技術の進展を妨げるようなボトルネックを引き起こす可能性がある。また、業界側が、燃料生産や自動車の供給といったかたちで積極的な役割を果たすと思われる。
シナリオ2
シナリオ2では、2002年に進捗状況の審査が行われる。この審査段階まで大規模導入の決定を延期し、早期導入に関連した経済的なリスクを考慮するようになっている。審査段階では、エタノールの生産コストが再調査される。エタノールの生産コストが(化石燃料との比較において)妥当だ判断された場合、大規模導入の決定が下され、目標達成が求められることになろう。2010年の目標年までに残された時間が少ないため、シナリオ1よりも厳しい管理システムが必要になるだろう。
シナリオ3
シナリオ3では、特別の管理システムは想定されていない。ただ、再生可能な原料をベースとする代替燃料に対する現行の免税措置は維持される。
シナリオ1短期間の導入
コントロールシステムなどの措置を含むシナリオ1は、ごく近い将来、管理制度および措置が実施されると仮定したものである。以下の措置の導入が決定され、98年から2010年までの間に実施されるものとする。
1. 1997年から2010年まで、エタノールに対しては二酸化炭素税を課さない。
2. 1997年から2010年まで、燃料として利用されるエタノールに対しては、VAT免税とする。
3. 97年には無税のエタノールに対するエネルギー税を段階的に引き上げ、2010年には1リットルあたり1.50クローナとする。
4. FFV購入の補助金が拠出される。補助額は追加費用全額である。
5. 大型車購入のための補助金が拠出される。補助額は追加費用全額である。
表9は、税制面のシナリオを示したものである。