3つの導入シナリオ
短期かつ大規模な代替燃料の導入が行われる際に、エタノールは支配的な役割を果たす可能性がある。我々の研究からは、大規模な代替燃料の導入をする際の重大な技術面の障害はないが、現在の技術や流通システムを利用したエタノールの生産費用はかなりの額になることが明らかになっている。ただし新技術によって費用は変わり得る。
供給側の条件も重要である。我々は、奨励措置についても調査した。需要側に対する補助のうち、最も重要なものは、代替燃料市場(消費者)に対するものと、自動車の価格に対するものである。単位あたりの代替燃料価格が化石燃料の価格を上回るべきではない。このため代替燃料への課税は、化石燃料の価格(税金を含む)との格差を埋めるものとなる。また、代替燃料の環境面に与える影響や、自動車のエネルギー効率も考慮に入れる必要がある。
自動車に関しては、FFVに利用される代替燃料の割合は高くなるであろう、燃料の充分な需要を短期間で確立するには、特別な補助措置が必要である。将来的には、エタノールの生産から消費まで全段階で、化石燃料が使用されなくなるとの仮定もできる。
以下に、代替燃料の導入関する戦略および、どのような奨励措置が有効かというシナリオを説明する。また、統計1は、シナリオごとの化石燃料の代替率を試算したものである。