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生産が見込まれている。現在はあまり燃料として利用されていないが、今後バイオ燃料の利用は増加すると予想される。バイオガスを燃料とするバスなどを考慮すると、利用されるバイオガスのエネルギー量は2010年には0.3TWh、2020年には0.5TWhになると見込まれる。バス以外のフリートにもバイオガスが利用されると予想される。

RMEの生産には限界があり、燃料として利用されるのは最高で10万m3(0.9TWh)と推定される。NUTEKは、なたね栽培の際に強力な温室効果ガスであるN2Oが耕地から発生することから、実際の生産量は最大生産量の3分の1になるとみている。電気自動車には、バイオ燃料のように資源調達の面からは制限がないが、電池や走行性能など技術面の開発による制約を受ける。NUTEKは、電気自動車の普及率は2020年までに5%になると予想している。技術的な開発がうまく進めば、電気自動車は多大な役割を果たし得る。電力料が安いこともあり、バッテリー技術が大幅に改善され、自動車価格が現在の水準から低下すれば、電気自動車は自発的に導入されていくであろう。

2010年までに150万m3の原料を生産する上での物理的な制約は、あまり調べられていない。こうした比較的短期間でこの規模の穀物生産を行うには、おそらく多大な努力を要する。

自動車用アルコール燃料は、既存の供給システムに組み込まれるかたちで導入されると予想される。バイオガスと電力については、新しい流通経路の確立が必要である。

年間150万m3のエタノールを供給する際のコストは、シナリオによって異なるが、現在の石油価格に換算して、年間53億〜92億クローナである。この供給コストには、新しいまたは改良された自動車やエンジンに関わるコストは含まれていない。導入コストは農業原料の利用状況に基づいて算定した。(2010年にはセルロース原料に対応する技術は確立していないとみなされる)(表6)費用は総合的なコストを示している。

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