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3.3.2 リンシェーピング市 Tekniska Verken

(1) 面談日及び応対者

面談日:1997年10月3日

応対者:Mr. Bertil Carlson 生産プロジェクト部 プロジェクトマネージャ

 

(2) Tekniska Verken概要

所在地:Brogatan 1 Linkoing

リンシェーピング市は人口約13万人で、スウェーデン第5の都市である。Tekhska Verkenは従業員約620人で、リンシェーピング市が100%出資で1902年に設立されたエネルギー供給・廃棄物処理公社である。図3-3-1に組織、事業の概要を示した。

バイオガスプロジェクトは、Tekniska Verkenの中にLinkoing Biogas AB(1992年設立)という事業部を作って推進している。

 

(3) 調査概要

Tekniska Verkenは、リンシェーピング市及び隣接地域より生ずる汚水、廃棄物の処理をすると同時にそれらにより発生する副産物の有効利用及びその研究を行っている。代表的なものは廃棄物焼却に伴う廃熱の利用が挙げられるが、1996年12月より大気環境改善と廃棄物有効利用のためバイオガスを用いたバスの運行を開始した。きわめてローカルなプロジェクトであるが、リンシェーピング市で行われているユニークなバイオガスバスプロジェクトを調査したので紹介する。

 

バイオガスの生産

バイオガスは、1996年12月に完成したリンシェーピング市Nykvarnのバイオガス工場で生産される。製造過程を図3-3-2に示した。原料は、家畜等のと殺残差(スチームで130℃20分殺菌される)、家畜し尿及び汚水である。これらは、混合、スチーム殺菌の後、消化槽に入れられ、約37℃で25日間微生物による分解が行われる。その結果、バイオガス(メタンガスが70%、その他(水、二酸化炭素、硫化水素)30%。)が発生する。発生したバイオガスには、種々の不純物が含まれるので、精製が行われる。精製後のガスは二つのグレードが有り、グレードAはメタン97%、二酸化炭素3%、グレードBはメタン96%、二酸化炭素4%とのことであった。Nykvarnのバイオガス工場では、原材料10万トン/年で、600万m3/年の粗バイオガスが生成する(精製バイオガスにすると約400万m3/年→35GWh/年)。詳細は参考文献を参照されたい。

なお、副産物として消化槽の沈殿物は良質の肥料として販売される。

写真5にバイオガス生産工場を示す。

 

バイオガスバス

製造されたバイオガスは4気圧に圧縮され、パイプラインで3.5km離れたBarhall

 

 

 

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