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が存在せず、これは水素燃料の充填を考えた場合に大きな問題になってくる。高圧容器内の温度も問題である。燃料費が安く、適用する動力システムが非常に簡単だという利点があるが、取り扱いの際の負荷が高い。

一方、メタノールから水素を取り出すことが考えられており、この技術については、バラード社をはじめゼネラル・モーター(GM)、トヨタ自動車などが研究を行っている。メタノールの生産技術もかなり進展しており、米カリフォルニア州にはメタノール供給システムのインフラがある。しかしながら、メタノール改質システムを車両に搭載する上で問題があるほか、天然ガスからメタノール、メタノールから水素に転換する過程でエネルギー効率が落ちてしまうことが懸念材料となっている。

さらに、ガソリンから水素を取り出すことについては、生産や供給インフラ、流通システムなどが確立しているといったメリットがあり、クライスラー位が、ガソリンを利用した燃料電池システムのコンセプトを発表しているが、現在のところ技術的に難しいというのが実状である。こうしたことから、燃料の問題は大きな課題とされている。

 

コスト

燃料電池にとって重要な役害を果たすプロトン交換膜のコストを低く抑えることも課題である。バラード社は1980年代後半から、高性能でコストの低いプロトン交換膜の研究を始めた。燃料電池用のプロトン交換膜に絞って開発を進め、中間プロセスのコスト低減に成功している。同社の第3世代プロトン交換膜「BAM3G」の生産コストは従来のプロトン交換膜のわずか7%に抑えられている。

 

入手した資料のうち、燃料電池に関する資料(下記*)を翻訳し、資料集に掲載したので参照されたい。

 

入手した資料

1) Fuel cell Technology : Powering the future

2) NECAR?U Driving without Emissions (Daimler Benz)

3) Road & Track Technology Update Fuel Cell

4) Taming the beast

5) The clean machine

6) The Promise of Fuel-Coll Vehicles

7) Press Clippings

8) 1996 News Releases

9) UBC firm eyes diesel conversion diesel working guts global industry

10) Ford eyes Ballard system

11) Mercedes, Ballard team up to push fuel-cell engines

 

 

 

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