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・専用ローリーを用いた場合は、現行及び現行の2倍の流通量でもコストの大幅上昇を招き現実的ではない(現行の燃料用メタノール価格43円/Lに対し、11.7〜23.9円/Lのコストアップ(比率で27〜56%のコストアップ))。ローリーの共用がコスト上昇を抑えるために望ましい。

・計算の範囲内のメタノール燃料取扱量では、添加装置を設置するより手作業による添加の方がコスト的に有利である。

・着色剤の添加によるコストアップ額は、手作業により添加し、ドラム配送をする方法が最も低いが、ドラム配送によるメタノール燃料のベース価格が高いので、現実的ではない。

・ローリーを共用し、手作業による添加の場合には、1リットル当たり約2.9円上昇すると推定される。計算の範囲内ではこれが最もコスト的に有利な方法である。しかしながら、メタノール燃料取扱量が増えてもコスト低減はしない。機械設備による添加の場合は、メタノール燃料取扱量に対応し、製造コストは低下する。

従って、現時点では二次基地においてタンクローリーを化学用のメタノールローリーと共用にし、手作業による着色剤添加による方法が最も有利と考えられる。その場合、コストは、現行取扱量から数倍程度の範囲では、1リットル当たり約2.9円上昇すると推定される。

 

11.4 結 言

 

約3年にわたる机上検討、品質、安全性確認試験及び実証試験の結果等調査した範囲では、メタノール燃料の着色剤としては、Acid Blue 9(通称:AB9)が最も適しているものと判断される。着色を行う場所は、現在の供給ルートにおける二次基地において手作業による添加が有利であり、その際のコストアップは現行流通量から数倍程度の範囲では2.9円/L程度(現行価格43円/Lに対し6.7%)と推定される。

 

 

 

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