試験で吸光度の変化が大きかったこと、SB5はハロゲンを含んでいること
から5種類の着色剤の候補のうち、AB9とAB90がメタノールの着色剤とし
て実用性が高いと考えられる。 リト出ガス試験、市内走行試験等の最終段
階の試験に用いるメタノールの着色剤としては、 AB90は机上調査におい
て発がん性が不明であったこと、 AB9は食品添加物でありまた(財)日本
自動車研究所にて実際に変異原性試験を行った結果、問題ないという結果
が出ていることからAB9を用いることとした。
8.2 排出ガス試験結果
実施期日:平成9年2月3日、4日
10・15式十一ド (g/km)
排出ガス NOx CO HC C02 ホルムアルデヒド
メタノール O.88 0.02 0.01 412 0.024
メタノール十着色剤 0.01 0.01 0.01 413 0.015
同型車両試験値 0.81 0.01 0.00 425 0.002
規制値― - - - - 0.18
注)今回の試験では、試験車(使用過程車)のメイン触媒のみ交換して試験を実施した。同型車両の試験値は、メイン触媒、プリ触媒とも新品状態での値である。
参考までに同型車両の試験値も示したが、今回の試験とほぼ同等の値であることから、車両の状態、試験とも異常なく行われたと判断できる。
本車両のNOx、CO、 HCはディーゼル6モード規制であり、今回試験したモードとは異なるので規制値は記載しなかった。
上記のように着色剤を添加しても、10・15モードのNOx、CO、 HC 排出ガスにほとんど変化は見られなかった。ホルムアルデヒドは触媒の状態が異なるため同型車両試験値に対し若干高いが、規制値レベルを基準に考えると、十分低く、着色剤有無による大きな差は見られないことから、水着色剤l ppm添加による排出ガスへの影響はないと考えられる。
排出ガス試験成績表を表8-2(着色剤無)、表8-3(着色剤有)に示した。
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