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第7章 変異原性試験による安全性の確認

 

7.1 変異原性試験の概要

 

(1)目的

着色剤に発がん性がないかどうかということを、変異原性試験で確認する。

(注)発癌性については、厳密には国際がん研究機関(IARC)により認められている等の事実が必要であるが、一般的には変異原性試験で評価する。

 

変異原性試験 → 変異原物質 → 遺伝子DNA → 発がん

(エームス試験)

 

(2)試験実施機関

(財)日本自動車研究所 HE研究室

(注)1995年5月に労働省の査察を受け、労働省安全衛生法GLPの適合確認施設として認可された。GLP(Good Laboratory Practice)基準とは、化学物質の安全性に関する試験データの質と信頼性を確保するために試験実施施設が守るべき事項を「ハードソフト」面から定めたもので、優良試験所基準とも言われる。(「自動車研究」第17巻第12号)

(3)変異原性試験に供試する着色剤の選定

変異原性試験に供試する着色剤として、確実な選定を行うため机上調査にて発ガン性に対し安全性が高いと思われるAB9、AR52及びAY73を候補とした。

しかし、AY73は自然貯蔵試験中に、他の着色剤より吸光度の変化が大きいことがわかったためAcid Blue9(AB9)及びAcid Red52(AR52)を変異原性試験に供試することとした。

 

7.2 変異原性試験結果

 

(1)方法

溶媒(精製水)に溶解した被験物質(被験液)について、濃度設定試験により試験菌株に対する生育阻害の有無を調べ、被験液の濃度を決定した後、同一濃度で2回の試験を実施した。試験菌株は塩基対置換型(TA100,TA1535,WP2uvrA)、フレームシフト型(TA98,TA1537)の5菌株使用した。試験の被験液濃度は直接法(―S9mix)、代謝活性化法(十S9mix)とも5.0、2.5、1.25、0.625、0.313および0.156mg/100μl(フレート)の6濃度とした。試験は、図

 

 

 

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