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●市民参加の活動

市民参加の運動の一つに、サンフランシスコ湾のゴミを除去するクリーンアップがあります。市民が週末、自分の時間を割いて、湾をきれいにしている様子を示しています(写真3)。キャンドルスティックパークと呼ばれている野球場の近くにある場所でのクリーンナップです。大阪だの汚染度が高いということでしたが、やはりサンフランシスコ湾も汚染が無いというわけではありません。

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トレイルツアーも実施しています(写真4)。このツアーで参加者に湾や生態系の重要性を説明するとともに、トレイルをできるだけ利用してもらえるように奨励しています。学校から生徒がやってくる場合もあります。

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また、サイクリングクラブにも協力を求めて、できるだけ自転車に乗る人にトレイルを利用してもらうようにしています。これは単に、レクリエーションとしてだけでなく、自動車にとって代わる運動手段の一つとして使ってもらうためです。

一体、何名のボランティアがこのプロジェクトに参加してくれたのかと言いますと、リストに挙がっているのは3500人です。

 

●ベイトレイルの財源と今後

財源の一つは寄付金です。ベイ・トレイルに対する寄付金については税の免除があります。別の活動として、市民の人たちに呼びかけて、政治家に圧力をかけることを行っています。例えば、ハイウェイの拡幅工事の予算をベイ・トレイルのための予算に振り向けてほしいと政治家たちに訴える手紙を書きます。また、色々な業界のリーダーからの賛助金も得ています。地元の大きなシェブロンとかヒューレット&パッカードなどの企業の支援もあります。こういう業界からの支援は25000〜40000ドルくらいです。

我々は、ベイ・トレイル計画が当初の予定よりも早く終了するのではないかと期待をしていますが、市民の支援なしには、ここまでの進展はあり得なかったでしょう。一方、こうした作業の中で、最も大変だったのはいかにバランスをとっていくかということです。パブリックアクセスを得たいが、それにはコストがかかる。環境問題もある。それらの問題に対しバランスのとれた解決策を導き出し、すべての人々が同意できる解決策をとることは非常に難しく、また大切なことでした。例えば、サンフランシスコ湾地域には三つの港があります。当然、湾岸線に沿ってどこまでもトレイルを敷くことは難しいわけですから、トレイルを若干内陸に持ってきて回避した形で造らざるを得ません。そういうことで、港に対しても問題にならないようにしています。

 

 

 

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