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るが、ひとつの目安として、1事業所への情報化投資は約4千万円までという数字が得られている。大規模なシステム導入のコストは数千〜数十億となるが、ネットワークKI4のような汎用性の高いシステムの場合には、端末設置のみで導入が可能である。システム開発の費用は、ケースバイケースという回答が圧倒的で、情報化の効果が自社のみならず、取引先企業に及ぶ場合でも、費用負担は情報化を推進する側の企業が担うことが多い。

 

イ)運用コスト

運用コストのうち、情報機器の使用にかかわる費用としては、月あたり数万〜数十万円という企業が多い。ただし、ホストコンピュータのマシンリース料として月数千万円の負担している企業も存在する。

通信コストは、原則として使用者が負担しているが、専用線を関連企業間で使用する場合は、一定の使用料を徴収するケースなど、状況に応じた対応となっている。

 

ウ)情報化にかかわる社内体制

【初期開発】

初期開発については、アウトソーシングした企業、社内の情報化セクションが逆に子会社として独立した企業、当初から社内構築している企業など、さまざまである。

開発の規模(単位)をみると、大企業においては、本社が開発したシステムを事業所がそのまま使用する事例はむしろ少なく、事業所単位でカスタマイズして利用するケースがほとんどであり、メーカー倉庫などでは、各物流拠点毎にシステム開発は独自に行われていたり、標準システムの基幹部分を活用しつつ、各拠点別に大規模なカスタマイズを行っている。本社開発システムをそのまま利用している事例(総合商社)では、現状との不適合などが指摘されており、大企業においては、現場業務への対応が標準的なシステムでは困難であることがうかがわれる。逆に中小企業に対しては、パッケージソフトの導入により対応できるのではないかといった見通しを行う情報化担当者が多い。

【運用】

運用にあたっては、情報化専門のセクションを有している企業が多く、調査対象企業では、本社システム部門に数名、各事業所に数名〜数十名規模の人員が配置されている。

?物流情報化に関する問題点

アンケート調査及びヒアリング調査等により、次のような物流情報化の問題点が指摘される。

 

ア)業種・企業規模による情報化進展段階の格差

<中小トラック事業者における情報化の遅れ>

物流情報化の進展度合いは、業種毎・企業規模毎の差が大きい。特に、中小トラック事業者における情報化への対応の遅れが指摘されている。情報化は、荷主企業や大手トラック事業者においてはサービス提供の基本となりつつあり、情報化への対応の遅れが荷主との取引減少につながるおそれがある。

 

 

 

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