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2.物流の高度化

情報化の進展にともなう生産から販売に至る情報の流れの高度化に合わせ、工場→メーカー倉庫→卸倉庫→小売店舗というモノの流れにおける運送業務、倉庫業務等の物流を高度化する生産・在庫・販売・輸送を通じたトータルな管理システムの構築に貢献するものである。具体的には、高度な在庫管理や配送の多頻度化・迅速化といった物流の高度化を促進し、販売情報を生産計画に迅速に反映させたり、売れ筋商品の品揃えを充実させることがあげられる。

 

<運送業務の高度化>

 

・多品種・多頻度・少量輸送、時刻指定配送、輸送情報管理(貨物追跡等) 等

 

運送業務においては、貨物追跡情報の提供、バーコードなどを活用した配送時のチェック等による配送ミスの低減など、顧客に対する物流サービスの向上が、物流情報化の大きな効果として認識されている。

 

<倉庫業務の高度化>

 

・リアルタイムでの在庫管理、先入れ・先出し 等

 

入出庫情報、在庫管理、ロケーション管理などにより、荷主ニーズへの迅速な対応が、顧客に対する物流サービスの向上としてあげられる。

 

3.間接的な効果

物流の効率化、高度化という直接的な効果に加え、オンライン化による取引の安定化、処理データの営業戦略検討への活用等、物流情報化に伴う間接的な効果がある。

【保管業務】

倉庫事業者においては、相対的に情報化の進展が早く、情報化は顧客の確保に有効であったが、現在はもはや不可欠なものとして、差別化の材料にはならなくなっている。

すなわち、情報化は取引の維持において必須の条件となりつつある。

【運送業務】

運送業務においては、業界としての情報化の進展が倉庫業務等に比べて遅れているため、情報化が顧客の囲い込みに有効な段階である。逆に、情報化に対応できない中小トラック事業者においては、事業者の取扱量が減少するなど、情報化への対応が取引維持の条件として求められるようになりつつあり、情報化への対応は今後の大きな課題といえる。また、モバイル端末の携帯により、営業担当者が即時に見積もりを提供できるシステム構築など、情報ネットワークを新しい営業ツールとして活用する可能性などが指摘されている。

 

?物流情報化の費用

ア)初期投資

情報化への初期投資規模については、企業規模等により数十万円〜数億円までさまざまであ

 

 

 

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