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《ケーブルテレビ網》

ケーブルテレビは、テレビ難視聴地域における「放送」メディアとして整備が始まったが、大容量・双方向のマルチメディア対応の「通信」メディアとしての利用が可能になり、注目を集めている。動画伝送に耐えうる同軸ケーブルを使用し、さらに幹線に光ファイバを利用する「光同軸ハイブリット方式」の導入が進展している。

ケーブルテレビの高速化が実現した場合、専用線型の加入者網として活用可能な点に大きな強みがあり、地域の足廻りネットワークとしての利用可能性が高まっている。

 

■無線系

無線系の通信基盤としては、携帯電話、PHSなどの地上系移動体通信回線と、衛星通信回線がある。

 

《地上系移動体通信回線》

携帯電話・PHSは、1994年4月の端末売り切り制の導入、95年7月のPHSサービスの開始を通じて、サービスの多様化、利用料金の低廉化・多様化が進み、加入者数は、携帯電話とPHSを合わせて、96年10月時点で2,000万を突破した。2000年頃には3,000万に達すると見込まれており、さらに数年で6,000万に達するとの試算もある。このように、移動体通信の利用者は、今後10年間で現在の固定電話とほぼ同水準に達すると想定されている。

また、回線の大容量化も進展しており、97年4月にはPHSの32kbpsのデータ伝送サービスが開始され、加入者のアクセス網として無線を活用する可能性が高まっている。

 

《衛星通信回線》

携帯端末から衛星に直接アクセスする移動体通信の検討が進められており、低軌道または中軌道の衛星を用いてグローバルまたはリージョナルな音声・低速データサービスを提供する計画として、イリジウム計画、グローバルスター計画、オデッセイ計画、ICO計画(インマルサット-0)などが提唱されている。

? 高度道路交通システム(ITS)の状況

高度道路交通システム(Intelligent Transport Systems、以下ITSと表記)は、最先端の情報通信技術を用いて、人と道路と車両を一体のシステムとして構築することにより、道路交通の安全性、輸送効率、快適性の向上を実現するとともに、渋滞の軽減などを交通の円滑化により、環境保全を図ることをめざすシステムである。

ITSは国民生活に密着した道路交通問題解決の切り札等として重要な役割を果たすものとして、「高度情報通信社会推進に向けた基本方針」(平成7年2月、高度情報通信社会推進本部決定)や「情報通信21世紀ビジョン(中間報告)」(平成9年4月、電気通信審議会)等において、行政が主導となって整備すべき公共的システムとして位置づけられている。

 

 

 

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