総括セッション
アジア発展のカギは人材育成
10月25日午後、総括セッションが行われた。全体会議および6つの分科会からの議事報告を経たのち、大河原議長が本シンポジウムについてのまとめを行った。
「転換期のアジア経済には悲観論もあるが、適切な対応ができれば、経済成長は期待できるという共通認識が確認された一方で、『アジア通貨基金』の早期設立も求められた。これを実現するには『アジア地域内の金融システムの整備が重要』との見解も多かった」とアジア経済全体への、シンポジウムの成果をまとめた。
また、急速に都市化するアジアの環境については、「社会基盤整備について、包括的な計画作成のもとに『民活インフラ』の活用を図っていくべきだという意見が数人の参加者から示された。環境対策では、各国間、国際機関、NCOの連携を強化すべきだとする声が強く、環境問題への認識を深めるために学校教育も重要だ。また、経済発展と環境保全という問題は相反する命題ではなく、両立を図っていくべきだという点でほとんどの参加者が一致した」と、都市問題、環境問題への出席者の関心の高さを評価した。
そして結論として、「これら様々な問題に取り組む重要なカギは『人材育成』であり、それを通じて各種技術の向上を図ることが、アジア地域の経済発展に不可欠である、ということだったと思う」と締めくくり、2日間のシンポジウムは閉幕した。