■貿易
パタンガス市港の完成により、市の貿易関連機能は向上する。市内で生産される主要輸出品の取扱いに要する時間は近代的港湾により大幅に短縮されるはずである。主要輸出品としては石油製品、衣類、果物等がある。
同様なことは市内の各産業が外国から輸入する原料についても言える。シェル石油精製は原油をブルネイ、マレーシア、サウジアラビアから輸入し、ゼネラル製粉株式会社は大豆等の原料をカナダ、中国等から輸入する。物資の輸出入はフィリピン港湾庁を通じて行われる。
■都市計画
1991年の地方政府令によれば、都市計画開発調整局(OCPDC)が市の総合計画その他の書類を作成し、包括的経済、社会、保健その他の開発計画を推進することになっている。
パタンガス市港湾の建設は以前承認を受けていた市総合開発計画の見直しに重要な役割を演じることになる。目下、市はコンサルタントの助けを借りて見直しを進めている。市の開発プロジェクトは、以前OCPDCが作った短中期計画によっている。これに加え、1993年に承認された“市総合地区割り条例"、“市土地利用計画"が市の開発目標達成のもう一つの基本になっている。現在、土地利用計画により、いくつかの土地利用区分に分類されている。総面積27,686.73ha中23.59%を家屋建造物用地,48.57%を農地、1.08%を観光施設、26.22%を森林/水辺/草地、のこりの0.54%が湿地となっている。
2000年には近代的で環境にやさしい技術により、世界水準の製品を生産するのが市の目標となっている。気候に合った農産物のための農業開発が推進されるであろう。
■主要プロジェク卜
◆パタンガス市港:現在、第一次バタンガス市港開発プロジェクトは進行中で1997年末に完了する。第二次は1998年中頃に始まる予定で、これに日本政府の海外経済協力基金の第22次円借款が実施される見込みである。完成すれば国際コンテナ港として使用される予定である。
◆南ルソン高速道路の延長:パタンガス州のリパ、パタンガス両市間の部分については現在道路権の交渉が行われており、建設はBOT方式(建設し、運営し、最後は委譲する)によるものと思われる。完成後の市と首都マニラおよび近隣諸州間の往復時間は大きく削減されることが期待される。
◆パタンガススポーツ総合施設:港から500mの場所に7haの用地をとって、二番目の大スタンドを建設中。本プロジェクトはスポーツを通じて若者を育成する行政目標と関連している。
◆市環状道路プロジェクト:市内および周辺部の交通量増加問題を解決するべく提案されている。
◆市美化緑化プログラム:固形廃棄物処理を含め環境破壊防止とエコバランス維持のためプログラム推進中である。
■姉妹都市
姉妹都市:ドイツ ランゲンフェルド市
内務地方自治省地方政府監査局の主導でプログラムが実現した。市評議会のランゲンフェルド市との姉妹都市決議により、同市との間の協定覚書に調印が行われた。世界の諸都市の中にあって二つの友好都市がプログラムの中で果たすべき役割が明記されている。
以後、両市のプロジェクトグループの代表が会合を重ね、どのようにして関係を構築するか協議した。ランゲンフェルド市は技術的財務的能力があるので、市の友好的コンサルタントになっている。グループが取り組んだ大きな問題の一つにパタンガス市の固形廃棄物処理システ