◆水質
スマラン市の各種水源は既に汚染が進んでいるが、市当局は専ら河川の水質保全に力を注いでいる。これは市民生活の河川への依存度の大きさによるものである。
市の河川の定期モニタリングによれば、河川の大部分が産業廃水と家庭の排出物により重度の汚染を受けている。産業系廃水の全排出量は1995年には18,083立方米/日、非家庭排水全体の59.7%であった。非家庭排水の総量は30,225立方米/日で、家庭排水と非家庭排水合計量の26.9%であった。
◆騒音.振動
騒音および振動は地域行政にとっての環境管理項目としてはあまり重要視されていない。水質、大気の汚染および固形廃棄物のほうが優先度が高いからである。
◆廃棄物
1994年スマラン市の固形廃案物量は22,440立方米/日であった。内訳は有機系(68.7%)、紙類(5.9%)、ガラス(0.2%)、プラスチック(14.1%)、金属(5。1%)、その他(6.0%)。発生源別には、家庭(77.2%)、市場(14.1%)、商業区域(3.1%)、道路(1.6%)、産業(3.9%)。
市当局はこのうち僅か17.5%を市清掃局を介して集めているにすぎない。回収の大部分は商業区域、道路、市場である。他方、市と契約している民間業者が8.5%を収集しており、残りは全てそれぞれの地域の組織によって処分されている。
固形廃棄物の運搬は66.1%が市当局によるもので民間企業による分が8.6%、残りが地域組織によっている。
最終処分場は44.5haで、埋立方式であるが浸出水の処理は実施していない。この処分場は近く閉鎖の予定で、目下、次の場所を検討中である。
◆今後の課題
現実問題として、まだ手の届いていない環境項目がたくさんある。例えば、小規模農家や工場から出る廃棄物、マングローブ林の減少、丘陵地の開墾.採掘、振動と騒音、新しい者卜市開発による水源地帯への居住、海の汚染、慢性的且つ危険な地下水レベルの問題等がそれである。
■環境保全に係る法制度
環境管理に係るスマラン市の法制度は、開発の哲学、都市管理の原則、環境基準の項目、許認可システム、およびその運用から成っている。これらの事項は、中央政府の法制度の中に国の業務として、あるいは中部ジャワ川の「レベル1」、スマラン市の「レベル2」の法制度にも自治体の業務として明記されている。その他としては、
1. 国の基本方針1993-1998
環境開発は、国の持続可能な発展を確実なものとするべく、人口増に対処するダイナミックな生残り策を目指して、地上の生物にとって緩衝作用を有する生態系の重要な一部分である。
2. 地方自治体政府の基本に関する国法
No.5/1974
市長は地方を代表する唯一の行政指揮者としてすべての開発の調整と社会生活の向上に努めねばならない。
3. 環境管理の基本に関する国法No.23/1997
4. 遊休地開発に関する国法No.4/1992
5. 汚染対策に関する中央政府規則No.20/1990
この規則により、政府は「レベル2」行政区に水質汚染を専門とする部門を配置した。
6. 環境影響評価(EIA)に関する中央政府規則
No.51/1993
7. EIA委員会に関する環境大臣今No.13/
MNLH/1994
この大臣令により、EIA委員会の一つを環境管理の地方技術単位となった。
8. 中央ジャワの環境管理に関する中央ジャワ州「レベル1」行政の地方規則No.1/1992