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はナーシングホームに移される。一方、回復した患者は、家庭に戻り、日中はリハビリセンターに通う場合もある。一人暮らしの患者は、同時にフレンドシップ・サービスに申し込んでも良い。ボランティア協会のTsao基金は、独身の高齢者のほとんどが住む高齢者向けの団地での訪問ケア・プログラムと、共同体の老人医療の診療所を運営している。そして、老人医学専門家、理学療法士、看護士、ソーシャルワーカー、ホームヘルパーのチームを通して、共同体に根ざした計画も提供している。ケア管理方式を採用するモデルを効果的に機能させるために、様々の機関は、患者の回復の継続的評価のため緊密に調整し、最終的には、高齢者を共同体に戻すため、適切な水準の治療とケアを高齢者に提供しなければならない。

(2) コミュニティ・ケア

共同体に基づいたサービスを提供するコミュニティ・ケアは、高齢者をできるだけ長く共同体に住まわせることを奨励する対策の柱である。共同体に基づいた効果的なサービスは、また、多世代による居住も奨励している。子供、特に共働きの家庭では、日昼の親の世話の助けとなる適切な地域社会および健康管理のプログラムに頼ることができる。ボランティア市民団体および宗教系同体などの福祉団体が提供する様々な共同体に基づいたプログラムがあり、地域社会および健康に関する要求に応えており、共同開発者の発表(1996年)による活動内容は次のとおりである。

・在宅看護および訪問医療サービスでは、身体の弱った、身体の不自由な高齢者が、自宅で専門的な看護および医療を受けることができる。在宅看護基金が運営する在宅看護センターが13カ所、病気の高齢者向けの在宅ケアが5カ所、ボランティア団体が運営している訪問医療サービスが3カ所ある。

・デイケアセンターでは、高齢者が、家族が働いている日昼、仲間と交際するのに加えて、ケアおよび支援を受けることができる。一般的に、デイケアセンターには三つのタイプがある。

―痴呆向けデイケアセンターでは、痴呆の高齢者向けの治療を提供し、ケア提供者に休息、を提供する。現在、痴呆向けデイケアセンターはたった二つしかなく、約80人の高齢者にケアを提供している。

 

 

 

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