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間で運動として人気が高まっている太極拳や気功のような伝統的な中国の武術を普及する助けをしている。

(b) 老人医療と健康管理

老年保健学は医学的な専門分野として、1988年、シンガポール国立大学(NUS)と共に保健省により確立された。訓練を受けた老年保健学の専門家は13人いて、現在、4人が訓練中である。NUSも、その様な専門家の需要に対応するために、1977年、定時制の老年保健学の大学院課程を創設した。この専門的な分野の開発を補足するために、専門学校で、看護士の老人医療の基礎終了後の訓練も行われている。

現在この分野で訓練を受けた看護士は、97人いる。

1994年、病気の高齢者のための、一ヵ所で色々な医療を提供する最初の老年保健学センターが、政府の病院に開設された。

 

現在、西部、中央、東部の二つの地域網をカバーする三つの老年保健学センターがあり、各地域網で約100,000人の高齢者に医療を提供している。各センターは、外来病院、老人病棟、入院患者および外来患者の両方を診る専門診療所が備わっている。

老年保健学センターでは、健康管理のモデルとして、ケース管理方式を採用している。ここでは、病院でのケアを究極的なものではなく、最終的には支援するコミュニティ・ケアのある家庭へ高齢者を帰すための単なる通過点として扱っている。このモデルでは、また、高齢者の入院日数を減らすことにより、ベッドを重病患者のためにもっと解放したいと考えている。1992年以来、コミュニティ・ケア・サービスは、宿泊施設のある、または共同体に基づいた、適切な医療および看護施設への病人の割当の調整と促進を行う、専門医への中央紹介機関として設立された。1995年には、救急病院から372人の紹介があり、そのうち66%が施設に割り当てられた。

 

理想的には、このモデルで、急性の病気から回復した高齢の患者が、必要とされるケアの水準によって高齢者向け病院または共同体の病院への転院が可能となる。高齢者向けの病院は二つあり、共同体の病院は三つある。前者は、高水準の医療および看護を必要とする患者が入院し、後者ではリハビリまたは苦痛を和らげるケアを必要とする患者が入院している。高齢者は、長期の専門的なケアを必要とする場合に

 

 

 

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