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メディセーブ勘定は、1984年4月に導入され、1996年現在で最高残高19,000Sドル(注1)を必要とする。退職後の医療費の支払いのために、55歳に達した会員はこの勘定に最低残高14,000Sドルがなければならない。メディセープの限度高は、最高、最低それぞれ20,000Sドルおよび15,000Sドルに達するまで毎年1,000Sドルずつ引き上げられる。

しかし、1996年のメディセーブ勘定の55歳の平均残高はたった11,394USドルで、この額は、慢性病または長期の治療による支出に対処するには不十分である。それに加えて、高齢になるにつれて、医療と入院の需要が高くなっている。政府は、CPFの全員に対して、親戚の医療費の支払いに彼ら自身のメディセープの使用を認めた。1995年の高齢者の全国調査によると、55歳以上の高齢者の55%が、医療費の支払に子供のメディセープを利用している。この割合は女性の高齢者(65%)の方が、男性の高齢者(43.8%)よりも高い。

● メディシールド

医療費の支出をまかなうメディセーブ計画の不備な点に対応するために、1990年以来様々な計画が策定された。それには、メディシールド、メディシールドプラス、メディファンド、メディセーブトップアッフ°計画がある。メディシールドは、1990年4月CPF委員会により導入された補足的選択医療保険計画である。1996年には、CPF会員の85%がこの計画に参加した。メディシールドの保険料は年齢によって異なる。8つの年齢グループがあって、年間保険料は、30歳以下の1人12Sドルから、74-75歳の1人240Sドルまでとなっている。保障年齢制限は1995年の7月から、やっと75歳まで引き上げられたが、これは、以前の70歳という制限では、保険を一番必要とする時に、保護を取り上げているという一般の意見に対応したものである。75歳というオールド・オールドの始まりの年齢での制限でも同様の議論が可能であるが、少なくとも、シンガポールの高齢者の現在の寿命と比較すると現実的な年齢制限である。

 

メディシールドには、年齢制限に加えて他の制約もある。例えば、年間20,000Sドルの請求金額制限と、一生の間の80,000Sドルの請求金額制限である。民間保険の弱点と同様、メディシールドも多くの場合に保障を提供しない。その例としては、加入前から患っている疾病、海外の医療費、精神病、争乱・暴動・ストライキへの直接参加による

 

 

 

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