(2) 高齢者の罹病状況
1992年2月の「上海市高齢者扶養システムについての調査」に基づいてみると、60歳以上の都市高齢者の中に、何らかの病気を抱えている人が86.2%を占めている。そのうち女性高齢者の割合は89.7%で、男性の82.2%より高い。60歳以上の農村部の高齢者の中に、何らかの病気を抱えている人は61.3%を占めている。そのうち女性の割合は66.1%で、男性の54.8%より高くなっている。年齢別に見れば、病気を抱えている高齢者の割合は年齢の上昇につれ、高くなる傾向が見られる(表3参照)。

前述の調査対象となった959人の市区部の持病をもつ高齢者のうち、前5位の病気は、高血圧、心臓病(47.8%)、関節炎(32.7%)、腸、胃、肝臓、胆の疾患(31.0%)、気管炎、肺水腫、肺心病(26.1%)、白内障、緑内障(23.7%)であった。そのうち、市区部の男性と女性高齢患者の病気率の差異は、主に女性高齢患者の関節炎の割合は41.1%(第二位)で、男性の22.3%(第四位)より高くなっている。男性の気管炎、肺水腫、肺心病の割合は31.5%(第三位)で、女性高齢患者の21.8%(第五位)より高くなっている。
前述の調査対象となった490人の農村部の持病をもつ高齢者のうち、前5位の病気は、関節炎(34.9%)、気管炎、肺水腫、肺心病(31.6%)、腸、胃、胆の疾患(24.5%)、高血圧、心臓病(18.2%)、白内障、緑内障(8.0%)であった。そのうち、男性高齢者と女性高齢者の疾患の割合の差異は、市区部に似ているが、主に女性高齢者の関節炎の割合は39.2%(第一位)で、男性高齢者の27.7%(第二位)