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2. 高齢者の健康状況

 

(1) 健康度の自己評価

1992年2月に、中国老齢科学研究センターは国連人口基金の援助を受け、中国12省、市で「中国高齢者扶養システムについての調査」を行った。上海市老齢科学研究センターは上海市の調査をし、合計3つの市区部の街道(町)、3つの郊外県農村部の郷(鎮)を抽出し、有効アンケート回答1,911部を回収し、そのうち、市区部では1,112部、農村部では799部であった。調査の結果から見ると、上海市60歳以上の高齢者本人の健康状態について、市区部の高齢者は「健康である」と答えた人が28.9%、「普通」と答えた人が49.7%、「弱い」と答えた人が21.4%であった。農村の高齢者は「健康」と答えた人が38.4%、「普通」と答えた人が45.6%、「弱い」と答えた人が16.0%であった。年齢別に見れば、基本的に「健康」と答えた年齢組が高くなるにつれ、低下し、「弱い」と答えた年齢組が年齢の上昇につれ、高くなる傾向がみられる(表2参照)。

 

1995年8月1日に、上海市計画委員会の主催で「上海市区部の高齢人口の経済と社会サービスの需求についての調査」が行われ、11区の48の住民委員会が選ばれ、有効アンケート回答が1006部回収された。

その結果から見ると、上海市区部60歳以上の高齢者本人の健康状態について、「健康」と答えた人が37.0%、「持病を持っている」が、「自分の世話ができる」と答えた人が54.4%、「持病をもち、頻繁に病院に通う」又は「入院し、自分の世話ができない」と答えた人が2.8%、「完全に寝たきりで、日常的に人の世話を必要とする」と答えた人が0.3、未回答の人が5.5%を占めていることが明らかになった。

 

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