日本財団 図書館


1989年の国立統計経済研究所(INSEE)の調査では、家計費に占める家族給付による所得の割合は、子どもがいるカップル世帯の平均は7.6%であったが(給与所得が70.7%を占める)、片親世帯の平均は18.3%であった(給与所得54.9%)が、世帯の所得によって大きな差がみられる。年間所得65,448フラン以下の片親世帯では40.2%と高くなっており、65,448-79,704フランでは35.9%、79,704-106,760フランでは24.2%、106,760-144,200フランでは15.4%と低下し、144,200フラン以上の所得がある片親世帯では6.5%に過ぎなくなる。

片親家庭の26%は、最低所得保障(片親手当および同化最低所得)を受けている。同化最低所得(RMI)は困難な状況にある人々を援助する目的で1988年に創設されたが、片親家庭を助けることにも大いに役立った。片親手当を受ける世帯と、同化最低所得を受ける世帯の数は半々であるが、片親手当の方が支給額は高い。

片親世帯の86%は母子家庭である。1989年の基準では、全世帯の10.3%を貧困世帯としていたが、母子家庭の場合は18.9%がこの貧困世帯の枠内に入っていた。家族給付でも母子家庭に対する経済援助は大きい。同化最低所得を受給している片親世帯の95%は母子家庭である。片親家庭の所得に家族給付収入が占める割合をみると、父子家庭では6.9%(年間平均所得144,408フラン)であるのに対して、母子家庭では20.4%(年間平均所得107,713フラン)であった。

 

086-1.gif

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION