(4) 片親家庭への援助
片親世帯は118万(子ども数190万人)あり、25歳未満の子どもを扶養する世帯の13%は片親家庭である。
片親家庭のためには、家族扶養手当と片親手当(3歳未満)が設けられている。この二つの手当の支給総額は90億フランである(1995年)。もちろん片親世帯でも、カップルで子どもを育てる家庭が受けられる家族給付を受ける権利がある。さらに受給のために所得上限制限が付いている手当の中には、片親世帯は共働き世帯と同様に上限が緩くなっている手当もあり(家族補足手当、乳幼児手当、養子縁組手当)、片親世帯に対して家族給付を受給しやすくしている。
子どもを扶養する片親家庭の8割は何らかの家族給付を受けている。給付を受けていない残りの2割の家庭は、子どもが1人しかいない家庭、3歳未満の子どもがいない家庭、住宅手当を受けていない家庭などである。
片親家庭に支給されている家族給付の額も、世帯の所得(最低所得保障を受けるか否かによる)と子ども数によって差があるが、カップル世帯の平均よりはかなり高くなっている【図表5-9参照】。ただし最低所得保障を受けない片親家庭では(子どもが1人しかいない世帯が52%を占める)、家族給付の支給額が全世帯平均やカップル世帯平均より低い。これは子どもが3歳以上であるために、家族扶養手当や住宅手当しか受給していないことが主な理由である。