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非婚カップルは法的には一つの世帯を築いているとは見做されないので、場合によってはカップルは二つの片親家庭を築いているかのように特典を得ることさえできる。税制に関しても、非婚カップルは、婚姻カップルのように世帯所得として夫婦の合計所得を申告しなくて良いために有利であった。しかし特に1987年からは税制上の改定が徐々になされ、現在では税金の申告に当たっては非婚カップルは婚姻カップルと同様の扱いになった。税制改正があった翌年には結婚数が増加している【注3-5】。自由結婚には経済的なメリットがあったことも注目すべきではあるが、非婚カップルの増加は、人々が結婚という形式にこだわらなくなった結果であると見るべきであろう。

生活研究センター(CREDOC)が行ったアンケート調査(1989年)では、フランスの若者の多くは、「2人で生活する利点と欠点を結婚する前に確かめること」を望んでいるという結果が現れている。これは18歳以上では3人に1人を上回る者の意見であるが、18-24歳の年齢層での割合はさらに55%と高い。しかし自由結婚は「実験的結婚」が唯一の理由ではない。34%の回答者は、現実的な理由(結婚するための資金がいること、離婚する場合には費用がかかること【注3-6】、種々の手続きの手間を避けるなど)をあげている。「自分の自由を守るための手段だ」と答える者は20%である。「結婚制度を否定すること」を理由としているのは10%に過ぎないが(非婚カップルは20%)、高学歴者の割合(23%)は低学歴者の3倍高くなっている。また若い女性は男性より自由結婚を好む傾向にある。この方が男女平等のように感じること、よりフレキシブルであること、結婚より法的拘束が少ないことが理由とされている。

 

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