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? 離婚の増加

1975年に協議離婚が可能になってから離婚数は急増した【注3-7】。離婚件数は、1970年には年間4万件弱であったが、1984年に10万件を超し、その後は年間105,000件から110,000件の間に安定している【図表1-2参照】。

離婚率は、1950年から1970年までの間は約11%と一定であったが、婚姻数の下降が始まった1972年から上昇が始まり、1990年には33%となった。すなわち今日では、結婚したカップルの3組に1組が離婚していることになる(パリ首都圏では2組に1組)。離婚判決では、同意離婚(53%)、有責離婚(44%)、破綻離婚(1%)、別居から離婚への転換(2%)の割合になっている(1992年)。

1976年からは、離婚後に子どもを引き取って単身で育てる者に対して、家族給付の片親手当が支給されている。また女性の就業率の向上に伴って、妻は経済的に自立できるようになった。実際、今日では離婚を決意するのは妻の側であるケースが圧倒的に多い。最近では結婚生活が短いうちに離婚する傾向がでてきている。逆に結婚5年以上たったカップルが離婚するケースも増加してきている。

伝統的な家族観では、夫婦が一緒に不幸な生活をする方が、離婚するよりは良いと考えられていた。しかし自由結婚がカップルの自由を確保するための形態として広く認められるようになったのと同様に、離婚も夫婦関係が失敗したときに取られる普通の手段と考えられるようになった。生活研究センター(CREDOC)のアンケート調査では、「離婚は周囲の人々から非難を受ける」と考えてる人が1972年には43%あったが、20年後の1992年には19%となっている。今日では大半の人々が「離婚は容認できる」と答えており(76%)、この割合は18歳から24歳の年齢層では80%となっている。離婚に否定的なのは農業者層で(61%)、給与所得者層は肯定的である(87%)。

離婚する夫婦の3分2には18歳末満の子どもがいる。1987年に夫婦親権が合法化されてからは、母親に子どもの保護権を与える判決は減少した。父親が監護権を得るのは相変わらず少ないが(1990年に6%)、監護権が両親に与えられるケースが激増している(1976年の3.5%から1990年の41%に増加)。しかし離婚した女性の39%は片親世帯を築いている。この割合は男性では10%に過ぎない。

離婚数が増加したために、離婚経験者の再婚が増えている。結婚するカップルの4分の1近くは、夫婦の少なくとも片方が再婚者である(1990年)。しかし最近では、離婚した者は再婚しないか、再婚までの時期を長くする傾向にある。1975年には、離婚4年後には男性の45%、女性の37%が再婚していたが、1985年には、この割合はそれぞれ25%と22%に低下した。離婚体験者は、最終的には結婚の形が取られるにしても、自由結婚をするケースが多い。離婚した後には、男性は女性よりカップルを形成する割合が高いことも特徴となっている。

 

 

 

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