以上のように人々の抱く「高齢者」の年齢イメージは変化しており、このことは、とくに現在「前期」高齢者と呼ばれているコーホートの健康度が高まっている事が要因で、今後21世紀初頭の社会では「高齢者とする年齢」は70歳以上に引き上げられる可能性がある。
(2) 高齢者の経済生活
高齢者の暮らしの状況に対する意識については、概ね一般平均より「ゆとり」を感じている度合いが高い。それは、高齢者世帯の年間所得、貯蓄、持ち家等の資産が世帯全体の中でも恵まれている状況からも裏付けられる。にもかかわらず高齢者の就労意欲が高いのは、経済的条件以外にも、むしろ就労を通じた生きがい欲求の強さが背景にある。こうして自立した生活志向の高まりとともに、稼業所得を求める高齢者も増加する。
横浜市に住む高齢者の就業に対する意識についてみても、65歳以上の高齢者の5割以上は65歳以上でも「仕事をする」と回答し、「仕事をしない」3割を引き離している(図表3-2-4)。高齢期に仕事をする理由としては、「生活費に充当する収入を得るため」が2割に過ぎないのに対し、「自分自身の生きがいを得るため」が4割。「人間関係など社会的なつながりを維持するため」と「自分の知識や経験を役
立たせるため」が合わせて3割を占めている(図表3-2-5)。


高齢期における就労の形態についても、横浜市民の今後の意識の変化が