移動後では転入者の方が利用率が低かった。
性別で比較すると、男性では、移動前は差はみられなかったが、移動後は転入者の方が低かった。女性では、移動前は転入者の方が高く、移動後は転入者の方が低かった。また年齢階級別(前期高齢者・後期高齢者)に比較すると、前期高齢者では移動前後ともに転入者の方が低かった。後期高齢者では、移動前は転入者の方が高く、移動後は転入者の方が低かった。
転入・転出が札幌市全体での福祉サービス利用に与える影響を明らかにするために、「(3)療養場所(入院、入所)の状況」と同様に、転出前の転出者と転入後の転入者の状況を比較する。
福祉サービスの利用率は転出前の転出者4.1%、転入後の転入者5.5%で、転入・転出によって札幌市全体での福祉サービスの消費量が若干増加したことが示された。
性別で比較すると、男性では転入後の転入者の方が低く、女性では転入後の転入者の方が高かった。また年齢階級別(前期高齢者・後期高齢者)に比較すると、前期高齢者、後期高齢者ともに転入後の転入者の方が高かった。
医療サービス利用の結果をあわせると、転入・転出が札幌市の高齢者ケアの消費量に与える影響は、医療サービスに関してはほとんど影響はみられなかったが、福祉サービスに関しては若干消費量が増加することが示された。つまり札幌市においては、転入する高齢者に対して医療サービスよりも福祉サービスの供給の増加が必要であると考えられる。
・移動前は転入、転出で福祉サービス利用状況に差はない。移動後は転入者の方が利用者の割合が低い。