これは1997年日本選手権大会の競泳レース分析表5)には,「競泳の目標設定」として紹介されている。
この推定式は1994年から1996年までの日本選手権大会で行われたレース分析結果を用いて作成されており,競技記録からレースの各局面における所要時間を推定することが可能となっている。またスタート,ターンおよびフィニッシュ局面だけでなくストローク局面についても求めることができる。したがって,例えば推定式の競技記録に目標記録を代入して求めた局面の所要時間は,トレーニングの具体的な目標やレースペースの組み立てに利用できる。さらに推定式は日本選手権出場者の一般的な傾向を示していることから,競技記録にレース結果(記録)を代入して求められた局面の所要時間と実測値であるレース分析結果を比較することにより,その競技レベルにおける自分のレースの特長を把握したり,今後の課題を発見することが可能となる。
表2に100mバタフライ,表3に200mバタフライにおけるスタート,ターンおよびフィニッシュ局面の推定式の係数5)を示した。各局面における所要時間は傾きと切片を利用し,次の式から求めることができる。
レース局面所要時間(sec)
=傾き×競技記録(sec)+切片
例えば,女子100mバタフライで58秒00を目標