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今回フェローシップに参加させて頂いて

 

三井 肇子(金沢医科大学医学部3年)

フェローシップに参加するまで、国際保健医療協力というものにアフリカ等の開発途上国で医療活動をすることという様な、かなり漠然としたイメージしか持てなかったのですが、今回の機会によって、自分としてはかなり具体的なイメージを持てるようになつたと思います。

私が今回研修によって学んだこと、感じたことを以下に述べさせて頂きます。まず国際保健医療協力と一口にいっても、協力にはいろいろな形があり、WHOやJICAに所属して、全面的に国際医療保健協力をライフワークとする様な関わり方から、普段は日本で仕事をしながら、数ヶ月単位で海外に協力に出かけるというような関わり方があるということです。

次に国際保健医療協力とは「援助」ではなく、あくまでも相手国と対等な立場での「協力」すること、WHOでのDr.Hanの「すでにできあがった家をはいどうぞと手渡すよりは、相手国の本材と人を使って家を建ててもらう方が、相手国によりメリットがあることでしょう。」という例え話は大変印象深いものでした。

さらに国際保健医療協力に参加するには、高度な語学力が必要であるということも痛感したことでした。特に現地のなまりやアクセントに慣れるということが大事だと思いました。

また、その国の医療システムを理解するためには、文化的、社会的、経済的、経済的背景をまず理解することが必要であるということも痛感しました。今回のフェローシップ参加をきっかけにフィリピンという国について、医療的側面のみならず、それらのことについて、詳しく勉強してみたいと思っています。

最後に、全体を通して実感したことは、国際保健医療協力をライフワークにすることは、相当な覚悟、体力、知力が必要であるということ、またいつも自分の尺度で物事を判断しない寛容性のある人間になることが必要だということです。今回のフェローシップに参加させて頂いて、他の参加者から刺激を受け、また、自分は将来どのような形で国際保健医療協力に関わっていきたいのか、おぼろげながらもヴィジョンが持てました。またWHOでレクチャーを受ける等、本来一学生がとても経験できない貴重な体験をさせて頂き、本当に感謝しております。

 

国際医療保健フィールドワーク・フェローシップに参加して

 

鈴木 康文(国際医療福祉大学保健学部理学療法学科2年)

国際保健協力という分野において、全くというほど無知な自分がこういった企画に参加して、果たして何を理解し、何が得られるだろうかという不安もあったが、リハビリテーション分野において、途上国の実状はどうなっているのかをしつかり見てこようと積極的に参加した。

研修のなかではフィリピンのリハビリテーションの実状というものについてはあまりふれることができなかったが、フィリピンという国の姿を自分の目で見ることができたことはとてもよい経験であり、学ぶべきことはたくさんあった。特に、国際協力といつて、日本の医療設備や技術をそのまま協力・援助相手国にもっていくというわけではなく、相手国の風土・気候・文化・宗教・国民の生活を充分に調査し、その国のレベルにあった協力・援助を行う必要があることを認識させられた。

また、バルア先生をはじめ、今回参加した学生全員が、いろいろな視点で国際保健協力について考えを持っており、意見を聞き、共に話し合うことができただけでも刺激となった。

今回のフィールドワークフェローシップに参加して、当初の目標だった開発途上国の保健医療を見聞し、特にリハビリテーションの実状を学び、自分自身何ができるか、また、どのように貢献していくか、答えは出なかったが考え方を導き出してくれたような気がするし、国際保健協力についてより深く考える契機となった。

 

 

 

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