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質疑応答

「なぜこのフェローシップに参加したか」とDr.Yodaがこのフェローシップに参加するにあたっての最初の決意・動機を再確認すべく学生一人ひとりに質問。我々が半ば中だるみになっていたところに対して、厳しさを与えて下さる。フィリピンの医療はアメリカを模倣している点が多く、開業医が病院へ出向するシステムをとり、包格的な医療には至らない点があること、そしてフィリピン大学卒の優秀な医師は米国へと離れてしまうことなど、現在フィリピンは多くの問題を抱えている。上・下水道の普及率はまだまだ低く、上水道では無収率が60%にも至る。またゴミの問題は近年になって更に深刻さを増しているのが現状である。医療問題のみを独立して解決することは難しく、社会問題としてとらえることも重要である。

JICA宿野部氏はJICAのフィリピンにおける活動ならびにフィリピンの政情について話をしてくださった。フィリピンでの活動は30〜40代の若手専門家が不足している状況で、特にゴミ処理場の問題は今春より後継者が不在となった。日本から英語力と専門知識を双方持ち得る人が少ないのも今後の課題として対処していかなければならない。フィリピンは現在、ラモス政権のもと、非常に安定した環境にある。しかし、ラモス大統領は今夏で任期を終え、今後の動きによってはまた不安定な政情に戻らないとも限らない。政権交代後の状況下でいかに国際協力を継続していけるかが、注目される点である。

 

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