3.衛生工学的環境改善と保健医療行政・医療からのアドバイス
疾病構造をおおきく複雑化しているものの一つとして、トイレ、下水道、上水道の問題がある。下水・排泄物は、垂れ流しが主流とのことを現場の人に聞いた。下水道は、完備されているという話であるが、日本で定義される下水とセブ島で定義される下水には、若干隔たりがある。それは、セブ島でいう下水道とは、配管して川に流すことをいうということである。これでは、垂れ流しではないか、と考える。話を聞いてみると、川の水を使わず、生活用水としては、井戸水を使えば問題はないそうである。ただ、井戸水に排水が混入する可能性があるというのが危険であるとのことであり、それを回避すれば、下水道の意味をなしてしまうのである。確かにその通りであるが、環境破壊や川の近くにすむ人たち・スラムの人たちには、多く病気が蔓延することが予想できる。これらは、統計に入つていないであろう。ここで衛生工学的な環境改善の一般化がもとめられる。国際技術協力に加え、工学的な専門家を交えて環境改善が求められよう。国際協力のなかの細分化も大いに結構であるが、協力したプロジェクトを実施し、施設にもそれを一般的に働きかけることも重要な要素ではないかと考祭する。