3.世界の結核の現状と対策 (財)結核予防会結核研究所
国際協力部企画調査科科長 須知 雅史先生
<結核の現状(推定値)>
結核患者発生数
753万人(1990)→876万人(1995)→1022万人(2000)
結核患者人口対率(対10万人)
143(1990)→152(1995)→163(2000)
結核患者増加の原因としては、
・結核に罹患しやすい20〜30歳の人口が増加している
・対策がうまくいっていない
<WHO Tuberculosis programの紹介>
基本戦略:短期化学療法による治療←治癒させることが最も有効な予防
目 標 :治癒率85% 発見率70% (2000年)
方 策 :・結核対策への強力な政府の取り組み
・有症状受診者に対する喀痰塗抹検査による患者発見
・適切な患者管理(DOTS:直接監視下短期化学療法)のもとでの標準化された短期化学療法の導入と薬剤安定供給システムの確立
・整備された患者記録と報告体制に基づいた対策の監督と評価
○感 想
午前中のハンセン病の講義では、ハンセン病の症状を写したスライドが印象深かった。その後、多磨全生園を見学させていただいたが、そこを生活の場としている人々のことを考えると少し気が引けた。昼食時には、園長と「全生園の住民が少なくなったら、ここの場所はどうなるのか?(まだ決まっていないとのこと)」、「園内の病院でリハビリテーションの対象となる疾患は?(らいに起因する機能障害でリハビリを受けている人は2〜3割)」、「キリスト教が果たした役割というものは大きいが、今考えると、それらの救いの手は対処療法であって原因療法ではなかったのではないかという議論も出ている。」etc.いろいろな話をすることができた。
午後はまず、ハンセン病資料館の見学をした。案内係の平沢さんの説明は私たちに訴えかけるものがあり、”真実は何か、そしてどのように対処していかなければならないのかを見極める目を持つことが必要である”と感じさせられた。その後、場所を結核研究所に移して、TBについてスライドを使いながら世界の現状とプロジェクトの紹介があり、海外青年協力隊の方々と興味深く聞くことができた。
これで今日一日の行動が終わったわけだが、よるには「砂の器Jのビデオ上映会があり、もう一度ハンセン病についてというよりは、差別や偏見といったものについて考えさせられた。
これで国内研修(2日間)は終わり、明日からは海外研修。「百聞は一見にしかず」、みられる限り多くのものを見てきたいと思う。
(鈴木 康文)