3月11日(火)晴れ
○本日のスケジュール・内容
国立療養所多磨全生園/結核研究所
講義内容
1.ハンセン病の現状と国際協力 国立療養所多磨全生園園長 村上 國夫先生
ハンセン病の歴史:旧約聖書によると、 5B.C. ツァルハト(ギリシャ語)と表記。
その後、れぷら(ギリシャ語)、レプロシー(英語)、らい(日本)といわれるようになった。
1873 病原菌の発見により、宗教的意味合いを持った病気や遺伝病ではなく、伝染病と考えられるようになった。
現在では(日本)化学療法の普及により、年間新患者数は20人以下、総数が6500人(5/10万人)と急激に減少している。
1996.4.1らい予防法廃止法が施行され、経済的支援などの継続、「らい」という言葉を「ハンセン病」と改めるなどの措置がとられるようになった。
国際協力:1 MDT方式の確立
2 WHOのらい制圧計画:2000年までに国単位で登録患者数を入口10,000人あたり1人以下とする。
(制圧重点地域:インド、ブラジル、ミャンマー、ネパールetc.)
3 MDT終了後の課題:社会的に自立を目指す。
2.ハンセン病の基礎と臨床 国立療養所多磨全生園皮膚科医長
並里 まさ子先生
ハンセン病:らい菌による慢性の感染症(らい菌:0.2〜0.4×2〜7μmの桿菌。結核菌に似ている菌だが、結核菌よりもはるかに感染力が弱い)
らい菌に対する抵抗力が弱い状態で、しかも繰り返して接触しなければ感染することがなく、感染しても発病するのはごく一部にすぎない。
国内見学(国立療養所多磨全生園)
高松宮記念ハンセン病資料館見学
ハンセン病の時代背景と患者たちの苦しみ、らい予防法の制定など不治の病と恐れられていた経緯も含めて、理解することができた。ハンセン病を直に体験された平沢さんの話は非常に迫力があり、気持ちが大きく伝わり感動した。近年、定義のはっきりしないQOLを医療で煩雑にもちいているが、今回の話を聞いて、ヒト医療ではなく人間医療の必要性を感じ、その実践が日本医療の課題であると感じた。
(管野 渉平)