?. ボホール島における日本住血吸虫の中間宿主貝のコントロール
安羅岡一男
1. 1997年7月の貝分布調査
1997年前期の住民検便で、タリボンのSan Roqueに新虫卵陽転例が見出された。かつてこの村落の主要な感染伝播地点であったOmaguin palawan ?はすでに1991年に土埋され、すぐ下のOmaguin pocketにも貝はみられなくなっていたので、直ちにその周辺のwaterbodyについて貝の分布調査を行った。果たせるかな、Omaguin pocketのわずか数十メートル下の窪み2ヵ所(Omaguin pocket ?と?と命名)、涌水2ヵ所(Omaguin seepages)に貝の生息を認めた(図5)。ここのseepageは2ヵ所で互いに僅か数10mしか離れていない。面積も併せて約300平方mに過ぎず、乾期には乾燥しているように思われた。
8月14日に7名で貝の生息密度調査を行い、合計190個を採集し、住血吸虫感染貝7個(3.7%)を検出した(表17)。